
なでしこジャパン(日本女子代表)は2026年3月に女子アジアカップで優勝したが、日本サッカー協会(JFA)はニルス・ニールセン監督と契約更新しないことを決断。4月2日に同監督の退任を公式発表し、JFA会長の宮本恒靖氏と佐々木則夫女子ナショナルチームダイレクターが監督交代の理由を説明したが、その言葉は「優勝監督の退任」という衝撃的な決断に対して、あまりにも鮮明な烙印だった。
佐々木氏は会見でこう断じた。「サッカーに対する指導が緩いというか、甘い。もっと突き詰めたアプローチ、トレーニングが必要」。6試合で29ゴール1失点と、アジア杯で圧倒的な成績を残した直後の評価とは、到底思えない厳しさだ。宮本会長も「アジア杯までの契約満了」と淡々と語ったが、3月29日の臨時理事会での決議という経緯を踏まえれば、事実上の”査定落ち”である。
ニールセン監督は2024年12月、初の外国人指揮官としてなでしこの監督に就任。シービリーブス杯での13年ぶりのアメリカ撃破は鮮烈だった。しかし2025年4月から10月までの国際親善試合で2分4敗、東アジアE-1選手権では3連覇を逃すなど、W杯逆算の視点でJFA首脳陣の不信感は積み重なったとみられる。
それでも女子アジアカップ優勝直後の出来事であるだけに、今回の退任劇はJFA内部の問題を超えた議論に発展。プロサッカークラブへの包括的経営支援を行う『テルミヌスグループ株式会社』代表取締役の齋藤祐太氏は、X(旧Twitter)でこう警告を発した。
「日本サッカーの現場はいい加減『言語の壁が』とか『通訳が』とかいうエクスキューズから脱却しないと、いよいよ世界のトップ層に並ぶとか金輪際達成できなくなる」
外国人監督が来るたびに繰り返される”言語問題”。JFA側が示した退任理由は「指導の甘さ」という個人の資質論だが、齋藤氏の指摘を踏まえると、双方に問題があった可能性も否めない。男子が森保一監督のもとで成功を収めているなか、現状のままだと外国人指導者と選手、幹部とのコミュニケーションに関する議論が収束することはない。
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