
町田ゼルビアとヴィッセル神戸が挑むAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)準々決勝。試合開催2日前に神戸対アル・サッドの会場が変更されるなど、アジアサッカー連盟(AFC)の傲慢な姿勢があらわになっているが、その混乱の陰でひっそりと浮上した一報が、日本サッカー界に複雑な波紋を投げかけている。
サウジアラビアの有力紙「アッシャルク・アル・アウサト」がAFC関係者の内部証言として報じたところによると、同連盟では次回のアジアクラブ大会においてランキング上位国への出場枠拡大が検討されており、対象国にはサウジアラビアと日本が含まれているという。
枠が増えること自体、悪い話ではない。だが、手放しに喜べる状況でもない。
そもそもACLEのファイナルステージは、2028/29シーズンまで暫定的にサウジアラビアでの集中開催が決定済みだ。「中立地開催」という建前の下、中東勢が地の利を享受する構造は誰の目にも明らか。自国クラブが出場する国での「中立開催」など、詭弁以外の何物でもない。ネット上ではAFCへの批判が渦を巻き、開催地・レギュレーション双方の再考を求める声は一向に収まっていない。今回の直前会場変更もその延長線上にある。
そこへ降ってきた「日本への出場枠拡大」という報道。タイミングが、良すぎる。
噴出する批判の矛先をかわすための「アメ」として機能しているとすれば、AFCの政治的嗅覚はなかなかのものだ。むしろ、そう疑わずにはいられない。出場枠の積み増しは、複数のJクラブが同時にアジアの頂点を争う未来を現実に近づけるポテンシャルを持つ。日本サッカーにとって数字上の恩恵は確かに存在する。
一方で、根本的な問題は何ひとつ解決されていない。開催地の恣意性、レギュレーションの不透明さ、直前の会場変更という運営の杜撰さ——あらゆる面でAFCへの不信感は積み重なるばかりだ。出場枠を増やしたところで、大会の公平性を担保する仕組みが整備されなければ、Jリーグクラブが構造的に不利な舞台へ駆り出されるだけという皮肉な事態は続く。2026/27シーズンのACLE開催まで残り数か月というタイミングでの報道に、日本のサッカーファンは首を傾げているはずだ。
コメントランキング