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日本代表FW後藤啓介の去就に影響!「アンデルレヒトにジレンマ」と現地報道

後藤啓介 写真:アフロスポーツ

 ジュビロ磐田出身でFIFAワールドカップ北中米大会の日本代表候補であるFW後藤啓介は、2026年6月をもってベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)を期限付き移籍期間満了に伴い退団することが決定的。アンデルレヒト復帰や欧州5大リーグ挑戦の可能性が急浮上するなか、アンデルレヒトは究極の「ジレンマ」に直面している。

 ベルギー紙『Het Nieuwsblad』が報じた内容は、その選択の重さを端的に示している。「アンデルレヒトにとって、この夏の移籍市場が忙しいものになることは間違いない。予算を成立させるためには、主力選手の何人かを売却せざるを得ない可能性がある」。その売却候補として名指しされたのが、市場価値2500万ユーロのナタン・デ・カット、そして後藤啓介だ。

 20歳という年齢で「アンデルレヒトで2番目に高価な資産」と評されるまでになった事実は、STVVでの活躍がいかに際立ったものだったかを雄弁に物語る。買い取りオプションなしのレンタルという条件ながら、後藤はベルギー1部リーグ戦30試合出場で10ゴール6アシストと結果を残し、市場価値を劇的に押し上げた。その結果、アンデルレヒトは「育てた逸材を手放す」か「戦力として勝負に使う」かという、贅沢だが深刻な「ジレンマ」を抱え込む羽目になった。

 STVVには日本代表DF谷口彰悟をはじめ多くの日本人選手が在籍し、立石敬之CEOが森保一監督の招聘にさえ興味を示すという”日本化”が進んでいる。ただ、この夏はMF山本理仁ら6選手の退団が既定路線となっており、クラブは大規模な選手整理に踏み切る構え。後藤の去就は、こうした激動の文脈の中に置かれている。

 『Het Nieuwsblad』はさらに踏み込む。「後藤を売却して資金化するのか、それともチャンスを与えるのか。このジレンマはますます大きくなっている」。新テクニカルディレクターへの最初の試練として、この判断は避けて通れない。ワールドカップ出場という勲章が加われば、1000万ユーロ(約18億円)という数字は単なる出発点に過ぎなくなる可能性すらある。

 だが、見方を変えれば残酷な構図でもある。後藤にとってアンデルレヒト残留は「チャンスを得る」シナリオのはずが、クラブ財政の都合で「売り物」として扱われるリスクと紙一重。選手の意志とは無関係に、経営判断がキャリアの分岐点を決定づけるという現実——これが欧州移籍市場の冷徹な論理だ。

 後藤が「使われる駒」で終わるのか、それとも自らの価値を武器に主導権を握れるのか。クラブの「ジレンマ」が深まるほど、選手本人の交渉力と代理人の手腕が問われる局面が近づいている。すでにニューカッスル、ウォルバーハンプトン、トッテナム、チェルシー、MF三笘薫所属のブライトン、VfBシュツットガルト、MF堂安律擁するアイントラハト・フランクフルトからの関心が報じられているが、果たしてアンデルレヒトに高額オファーは届くのだろうか。