
かつてASローマでセリエA優勝を成し遂げ、日本代表の一員として2002年の日韓ワールドカップや、2006年のドイツワールドカップに参戦した実績を持つ中田英寿氏。現役引退後は世界各地を旅して回り、日本文化の発信や多方面のビジネスに関与するなど、サッカー界の枠を超えた活動で知られる。その「中田英寿」という名前が今、中国発の奇妙な報道によって揺れている。
中国メディア『全球』は4月13日に「東京で、日本の元代表選手・中田英寿が、王石の妻である田朴珺と一緒にいるところを撮影された」と報道。「2人はバーで軽く酒を楽しみながら、会話を交わしていたとされる。48歳の中田英寿は、純資産2800万ドルとされている。一方、王石の妻・田朴珺は現在44歳で、幅広い人脈を持つことで知られている。王石はかつて潘石屹のように再婚後に2人の息子を持つことを考えていたが、田朴珺の強い性格により思い通りにはいかなかったとされる。また王石は馬雲と同様に、かつて日本に居住し、その後帰国して再び事業を始めたとされている」と伝えている。
問題はこの報道の「文脈」だ。
同内容は中国メディア『亚洲金融』が2026年1月に既報として扱っていたにもかかわらず、4月13日に改めて拡散された。なぜこのタイミングで”再掲載”されたのか。そこに意図を読み取らない方が難しい。
中田氏は1995年にベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)でプロデビュー後、1998年フランスW杯を経てペルージャへ移籍。ローマでセリエA制覇を成し遂げ、日本サッカー史に名を刻んだ人物である。引退後も高い国際的知名度を持ち、純資産2800万ドルという数字が示す通り、その影響力は現在も健在だ。だからこそ、「標的」にされやすい。
中国メディアがこの種の「スクープ」を発信する際、背景に国家的な情報操作が絡むケースは過去にも繰り返されてきた。日中関係が外交面で緊張を帯びる中、日本の著名人のスキャンダルめいた報道が突如浮上する構図――今回もその文脈から切り離して論じることはできない。
日本のイメージダウンを狙ったプロパガンダである可能性は、到底排除できない。世界へ日本文化を発信している中田氏の尊厳と名誉を守るためにも、”反日思想”が強く、政治・経済分野において情報戦を盛んに仕掛けてくる中国メディアの報道内容を静観することが求められそうだ。
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