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町野修斗にアヤックス移籍浮上も…冨安・板倉退団によるリスクとは?「姿勢に疑問」と一部批判も

町野修斗 写真:アフロスポーツ

 湘南ベルマーレ出身であり、FIFAワールドカップ北中米大会の日本代表候補のFW町野修斗は現在、ボルシアMGでプレー。レギュラー定着に至っていないなか、DF冨安健洋やMF板倉滉擁するオランダ1部アヤックス移籍の可能性が浮上。ただし、その移籍話の土台となっている「日本人選手が複数在籍する環境」が、今夏には跡形もなく消えているかもしれない。

 オランダのポッドキャスト番組『DoneDeal』がアヤックスの補強候補として町野の名を挙げたのは4月13日のことだ。FWワウト・ウェグホルストが今夏に契約満了、暫定監督オスカル・ガルシアの下でFWカスパー・ドルベリもベンチに沈む現状を背景に、ストライカ-の獲得候補のひとりとして名前が挙がった形である。

 番組内ではこんな言葉が添えられた。「”日本人は2人いてこそ真価を発揮する”とも言われるが、このストライカーは本当にサッカーができる選手だ」

 耳障りのいいフレーズだが、その前提が今、崩れ落ちようとしている。

 オランダ『フットボール・トランスファーズ』は4月1日時点で「板倉は退団が既定路線」と断言。さらに冨安についても「2026年夏に契約満了も契約延長しない見通し」とした。現地メディア『AD』は3月末、冨安がアーセナルで受け取っていた「500万ポンド(約10億円)の年俸はアヤックスの給与体系には収まらない金額だ」と報道し、交渉が平行線をたどっている現状を伝えた。

 板倉の問題はさらに根が深い。

 ボルシアMG時代にセンターバックの主力として名を馳せた選手が、アヤックスでは一時アンカーに回された。オランダ『サッカーニュース』は2026年1月、「板倉はアンカーで完全に迷子になっていた」と容赦なく切り捨てている。ポジションを転々とさせられた末の退団——それが今の実情だ。

 つまり、町野がアヤックスへ移籍する頃には、日本人チームメイトがひとりもいない状況が現実として迫ってくる。「日本人は2人いてこそ」という前置きが、そもそも移籍の根拠として機能しなくなるわけだ。

 一方、町野自身の現状にも目を向けなければならない。ドイツ『BMGニュース』は2月11日時点で「近年のボルシアMG最大の補強失敗作」という刺激的な見出しで町野を特集した。800万ユーロ(約14億円)で加入したにもかかわらず「加入から7か月で来季構想外」とされ、「モチベーションの低下も感じられ、選手として最低限求められる姿勢にも疑問が残る」と批判された。

 年俸は200万ユーロ(約3億6000万円)超え、契約は2029年6月まで残る。同メディアが示唆したのが「条件次第では期限付き移籍の可能性」。完全移籍ではない点に、クラブ側の本音がにじむ。

 アヤックスが動くとすれば、それはボルシアMGにとって「14億円の損切りをローンで先送りする」選択に他ならない。だが、アヤックス側も本当に必要な戦力を期限付きで借りる合理的な理由は乏しい。双方の思惑が完全に嚙み合う保証はなく、「候補に名前が挙がった」と「移籍が実現する」の間には、まだ相当な距離がある。

 「日本人は2人いてこそ真価を発揮する」という枕詞の上に成立しかけていたこの移籍話。その土台が崩れそうになっているだけに、町野がアヤックスで成功する可能性が高いとは言えなさそうだ。