
残り1カ月あまりとなった明治安田J2・J3百年構想リーグ。J3所属クラブにとっては、普段のリーグでは味わえないプレースピードや強度を体感できる貴重な機会となっており、2026/27シーズンに向けて実りある時間を過ごしている。
J3クラブはJ2勢相手に苦戦を強いられることも予想されていたが、実際には想像以上に善戦。中にはJ2選手を個で圧倒するプレーヤーも現れ、今オフにJ3からステップアップ移籍を果たす選手が出てきても不思議ではない。
昨シーズン途中まで高知ユナイテッドでプレーし、圧倒的な得点力でJ3を席巻したFW小林心(現ベガルタ仙台)や、2023シーズンにY.S.C.C.横浜で21試合11得点を記録し、シーズン途中に当時J1の湘南ベルマーレへステップアップ移籍を果たしたFW福田翔生(現ブレンビーIF)は、その代表例と言える。
ここでは、百年構想リーグでの活躍を踏まえ、上位カテゴリーへのステップアップ移籍が期待されるJ3プレーヤー5名を厳選して紹介する。
加藤拓己(松本山雅)
1人目は、筋骨隆々のフィジカルを武器に戦う松本山雅FCのFW加藤拓己だ。山梨学院高校から早稲田大学を経て、2022シーズンに清水エスパルスでプロキャリアをスタート。同年はJ3のSC相模原へ期限付き移籍し、10試合で4ゴール1アシストを記録。ポストプレーとスピードを兼ね備えたプレースタイルで、対戦相手DF陣に強烈なインパクトを残した。
しかし、その後は2度の左膝前十字靭帯損傷に苦しみ、2023シーズンからの2シーズンは出場機会がなかった。それでも、復帰初年度となった昨シーズンは再び相模原へ期限付き移籍。21試合で2ゴール1アシストを記録し、コンディションは負傷前と遜色ないレベルまで回復した。
そして今シーズンは松本山雅へ完全移籍となり、百年構想リーグでは11試合4ゴール1アシストをマークしている。なかでも、J2のRB大宮アルディージャ戦では2ゴールの活躍を見せ、チームを4-1の勝利へ導いた。今シーズン、最もインパクトを残している選手の一人と言っていいだろう。シーズン終了後には、J2クラブからの関心が一気に高まる可能性が高い。
川本梨誉(FC岐阜)
2人目は、今シーズンからFC岐阜へ完全移籍で加入したFW川本梨誉だ。清水エスパルスの下部組織出身で、早くから頭角を現した存在である。中学3年時の2016年には、プレミアカップ、クラブユース選手権、U-15高円宮杯の“3冠”達成に大きく貢献。高校年代でも、強靭なフィジカルを活かしたボールキープ、スピードあるドリブル、足元の技術を武器にゴールやアシストを量産し、同世代屈指のアタッカーとして注目を集めていた。
高校卒業後の2020シーズンに清水のトップチームへ昇格するも、当初は出場機会に恵まれず。2021シーズン以降は期限付き移籍でファジアーノ岡山、ザスパクサツ群馬、ブラウブリッツ秋田、そしてFC岐阜と渡り歩いた。転機となったのは昨シーズン途中からプレーした岐阜での活躍だ。17試合で3ゴール2アシストを記録し、攻撃陣の主力として存在感を発揮。このパフォーマンスが評価され、今シーズンの完全移籍加入へとつながった。
百年構想リーグでも11試合消化時点で、すでにキャリアハイとなる7ゴール2アシストをマーク。得点ランキングでもJ2・J3全体で3位タイにつけている。さらに2月には月間MVPを受賞するなど、充実したシーズンを送っている。この勢いが続けば、百年構想リーグ終了後のオフにはJ2クラブによる争奪戦に発展する可能性も十分だ。
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