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浦和レッズOB李忠成が招聘に関与!就任12日で電撃辞任…日本人監督に現地で禁錮刑の可能性

李忠成 写真:アフロスポーツ

 シンガポール1部BGタンピネス・ローバースFCは15日、喜熨斗勝史監督との契約解除を公式発表。4月3日の就任からわずか12日という、サッカー界でも類を見ない短命政権の終焉だっだが、この「辞任」という言葉の裏に、ただの結果責任では片づけられない問題が潜んでいる。

 シンガポール紙『ST(ストレーツ・タイムズ)』が4月7日に報じた内容が核心だ。喜熨斗が「無許可の人物」として公式エリアに侵入したとして、タンピネスとタンジョン・パガーの両クラブにそれぞれ2000ドルの罰金が科された。ジュロン・イースト・スタジアムでの3-0勝利を収めた試合中に起きた出来事である。

 問題はそれだけにとどまらない。

 正式就任前の数か月間、喜熨斗はスタンドからチームへ指示を送り、トレーニングにも関与する姿が複数回にわたって目撃されていた。つまり、書類上は「無関係の人物」でありながら、実質的な指揮官として機能していたということだ。シンガポールの人材開発省(MOM)はこの点を重く見て、「有効な就労許可を持たずに働いていた疑いがある」として調査に入った。違法就労が認定された場合、最大2万ドルの罰金または最長2年の禁錮、あるいはその両方。さらに、将来のシンガポールでの就労禁止という制裁まで射程に入る。雇用主であるクラブ側にも最大3万ドルの罰金が課される可能性があり、もはや「監督の進退」だけでは収まらない法的リスクに発展している。

 ここで浮かび上がるのが、浦和レッズOBとして知られる李忠成の名前だ。

 喜熨斗本人がコメントを控える中、唯一明かしたのが就任の経緯。スポーツディレクター職にある李忠成から「アシスタントコーチとして来ないか」と打診されたのが始まりだった。そして李忠成自身が翻意し、今度は「監督としてチームを率いてほしい」とオファーを出したという。Jリーグで培ったブランドと人脈を活かした「日本人コネクション」による招聘——その構図自体は珍しくない。むしろ問題は、そのプロセスで就労許可取得という基本中の基本が後回しになっていた可能性があることだ。

「監督として指示を出していたのに、書類上は存在しなかった」。この矛盾を放置したまま正式就任へ踏み切ったクラブの判断、あるいは踏み切らざるを得なかった事情——いずれにせよ、今回の辞任によってすべてが「リセット」されたわけではない。MOMによる調査の結果次第では、異国の地で刑罰が科せられる可能性もある。