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渡辺剛「受け入れられない」上田綺世DOGSOスルー猛批判に現地反応「日本人選手ではない」

渡辺剛(左)と上田綺世(右) 写真:アフロスポーツ

 フェイエノールト所属のFIFAワールドカップ北中米大会日本代表候補であるFW上田綺世は、12日開催のオランダ1部リーグ戦で、後半5分に最終ライン背後へ抜け出した決定的な場面でDFフィリップ・サンドレルに後方から倒されながら、相手にイエローカードしか提示されないという不可解な判定を受けた。これにはチームメイトのDF渡辺剛も怒りを覚えている。

 渡辺は試合後、インスタグラムを更新。上田が倒されたシーンをアップするとともに、「この結果も、どの判定も受け入れることはできない。それでも前進し続ける必要がある」と投稿。怒りを抑制した言葉の奥に、拭いきれない憤りが滲む。

 問題の場面を改めて整理する。後半5分、上田がロングフィードをトラップしてペナルティエリアへ侵入を試みた瞬間、背後からサンドレルに倒された。主審は当初ノーファウルと判定したが、明らかなGKとの一対一の状況だったためVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が介入。映像確認を経てファウルは認定されたが、提示されたカードはイエロー止まり。「GKが近くにいた」「ボールのコントロールが失われていた」という理由でDOGSOは非適用。ロビン・ファン・ペルシー監督が頭を抱え、上田本人が苦笑いを浮かべるほかない、理不尽な結末だった。

 だが、最も衝撃的な事実はサンドレル本人の証言だ。

 試合後の『ESPN』取材に応じた加害者のサンドレルは、VARのオンフィールド・レビュー中に「一発退場を覚悟していた」と明かし、主審から「GKが近くにいたためイエローカード」との説明を受けて初めて事態を把握したと述べた。倒した側の選手でさえ退場を覚悟していた判定を、主審は独自解釈でイエローに格下げした。その異様さが、今回の裁定の本質を端的に示している。

 ファン・ペルシー監督は「接触の瞬間にボールは上田の前にあった。明らかにレッドカードだ」と断言し、「大きな影響を与えるものであり、許されるべきではない」と強く批判。渡辺のSNS投稿は、こうした指揮官の怒りと完全に呼応する形で発信されたものだ。単なる感情の吐露ではない。チームの主力として、そして日本代表DFとして、組織的に受けた不当な扱いへの、静かだが明確な異議申し立てである。

 この渡辺のSNS投稿には、現地メディア『Voetbal』が「渡辺は日本人選手ではない。日本人選手ならば黙っているが、ここまで判定を批判するのは珍しい。それだけのスキャンダルである証拠だ」と反応している。渡辺剛がインスタグラムで発した「受け入れることはできない」という一文。口を閉ざすことが美徳とされてきた日本のサッカー文化から見れば、これは静かな革命とも言える。だが、その怒りがオランダのメディアに「スキャンダルの証拠」と受け止められた現実は、判定そのものの異常さをより鮮明に映し出している。