
ベルギー1部KRCヘンク所属FW伊東純也は、12日に行われたベルギー1部リーグ戦でスタメン出場。チームメイトのFW横山歩夢がデビュー戦で好パフォーマンスを発揮しただけに、伊東にとって試合内容の不振は、単なる「一夜の不調」では片づけられない事態になりつつある。
ベルギーメディア『VI』は、OHルーヴェン戦を「内容の乏しい試合で見どころはほとんどなかった」と辛口に総括。ヘンクはスコアレスドローに終わり、プレーオフの首位から陥落した。そんな灰色の夜に、唯一の「光」として記事が取り上げたのは伊東ではなく、試合終了15分前にピッチへ送り込まれた横山だった。
23歳の横山は、バーミンガム・シティからのレンタルでリザーブチーム「ヨング・ヘンク」に加入後、昨季19試合4得点2アシストを記録。その活躍が評価され、300万ユーロという移籍金で完全移籍を果たした。一時は”ミスキャスト”として埋もれかねない状況だったが、本人は諦めていなかった。「デビューの希望を捨てたことは一度もない。常に全力でトレーニングに取り組んできたし、報われると信じていた」。セカンドチームでの22試合3得点4アシストという数字が、その言葉を裏付ける。
そして今、横山が公言している「目標」こそが伊東だ。
『VI』によれば、OHルーヴェン戦での伊東のパフォーマンスが振るわなかったこともあり、次節ウェステルロー戦では「序列でその憧れの存在を上回る可能性も出てきている」という。「自分の持ち味は仕掛けと創造性を発揮すること」と語る横山が、ベンチから伊東の背中を眺めていた時代は、静かに、しかし確実に終わろうとしている。
むしろ皮肉なのは、伊東への評価が「まだ高い」という事実だ。海外メディア『DeadBall TV』はイングランド戦に関して「伊東純也は今でも日本代表でベストの選手だ。常に最も大きなインパクトを与える存在だ。毎回そうだ。彼については、毎回議論の対象になっている」と称賛した。代表レベルでは依然として別格の評価。だが、そのクラブでの立場が揺らぎ始めているという現実は、評価の高さで覆い隠せるものではない。
FIFAワールドカップ北中米大会の日本代表メンバー選考が近づくこのタイミングで、「レギュラー落ち」という烙印を押されることの重さは、森保一監督が誰より理解しているはず。横山の台頭が日本代表屈指のスピードスターの今後に影響を与えていることは確かだ。
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