
明治安田J2・J3百年構想リーグEAST-Bは第16節までを消化。現在、同グループで3位につけている北海道コンサドーレ札幌は5月10日に大和ハウスプレミストドーム(札幌市)で行われたRB大宮アルディージャとの激闘を4-3で制し、10年ぶりとなる6連勝を達成。北の大地に遅咲きの桜が咲いた。
第5節終了時点ではEAST-B最下位に沈んでいた札幌。しかし、新指揮官・川井健太監督が積み上げてきたスタイルが徐々に浸透するとゴールデンウィークの連戦を全勝で駆け抜け、一気に上位争いへ浮上した。選手や指揮官の表情からも充実ぶりがうかがえ、8月上旬に開幕する2026/27シーズンへ向けて、順調な仕上がりを見せている。
一方、2シーズンぶりのJ1復帰を目指すクラブにとっては、克服すべき課題も明確になりつつある。ここでは、目下6連勝中の札幌が百年構想リーグで得た手応えと浮かび上がった課題について、筆者の視点から紹介していく。
北の大地で開花した新戦力
2025明治安田J2リーグで12位に沈んだ札幌は、シーズンオフにDF福森晃斗の復帰や、MF堀米悠斗の10年ぶりとなる帰還という明るいニュースが届いた。福森は横浜FCへの期限付き移籍を終えて3年ぶりに復帰し、堀米もアルビレックス新潟との契約満了を経て再び札幌のユニフォームに袖を通すこととなった。
その一方で、長年ボランチとしてチームを支えた深井一希(現・札幌U-18コーチ)の現役引退に加え、昨シーズン主力だったMF近藤友喜が横浜F・マリノスへ完全移籍。さらに、主将のMF高嶺朋樹も名古屋グランパスへ期限付き移籍するなど戦力ダウンは避けられず、サポーターにとっては不安の残るオフシーズンだったと言える。
冬季キャンプを経て新シーズンを迎えたものの、序盤戦では出場メンバーや各ポジションの組み合わせによってパフォーマンスに波があり、選手層の薄さを否定できない戦いが続いた。しかし、川井監督と選手たちはやるべきことを全うし、“遅い春”を静かに待ち続けていたのである。
そんな札幌にまず梅の花が咲く。4月20日、法政大学4年で大学年代を代表するDF梅津龍之介の、2027年1月からの加入内定が発表されたのだ。梅津は特別指定選手としてチームに合流。第12節いわきFC戦では、1点ビハインドの82分から途中出場してJリーグデビューを果たした。
その試合では梅津投入後から流れが一変。持ち味であるビルドアップ能力によって札幌の攻撃にリズムが生まれ、徐々に主導権を握り返すと、92分にDF家泉怜依が同点ゴール。94分にはFW大森真吾が劇的な決勝点を叩き込み、2-1の逆転勝利を収めた。
続く第14節のFC岐阜戦(3-0)では、梅津がプロ初スタメンで出場。大学生とは思えない統率力と対人守備の強さを披露し、最終ラインのリーダーとして快勝に貢献した。さらに、第16節RB大宮アルディージャ戦でも先発出場を果たすとプロ初ゴールまで記録。札幌に頼もしいニューヒーローが誕生した。
もちろん台頭したのは梅津だけではない。いわき戦で自身3年ぶりとなるゴールを決め、その後3試合連続得点を記録しているFW大森、ドリブルを武器に多くのチャンスを演出し、第16節の大宮戦でJリーグ初ゴールを挙げたMFティラパット、そして約1年半にわたって出場機会に恵まれなかったFWキングロード・サフォも、持ち前の走力を生かしたハードワークと高精度のキックで存在感を示している。
シーズン開幕当初に不安視されていた各ポジションの底上げは着実に進み、今では誰が出場しても遜色ないパフォーマンスを発揮できるチームへと変貌を遂げた。川井監督が掲げる攻撃的サッカーの成熟とも相まって、札幌はクラブとして10年ぶりとなる6連勝を達成した。まさに北の大地で、桜の花が満開を迎えようとしている。
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