
FIFAワールドカップ北中米大会日本代表候補のMF堂安律は、所属先のアイントラハト・フランクフルトで本来のパフォーマンスを発揮できていない。移籍の可能性も取りざたされているが、そんな渦中に飛び込んできたニュースが、ファンの間でさらなる議論を呼んでいる。
EAスポーツFC26が発表したブンデスリーガ・シーズンベストチームに、堂安律がノミネートされたのだ。クラブ公式も即座に反応し、Xでこの報道を拡散。だが、現地メディア『アドラーニュース』は真っ向から異を唱えた。「リツを悪く言いたくないが、これは冗談だ。他の選手の方が良い。具体的にはネイサン・エル=ブラウンとか。EAによる奇妙な決定だ」。歯に衣着せぬ物言いだが、これが現地の「正直な声」である。
この批判の背景には、今季の堂安を取り巻く深刻な状況がある。
開幕当初、ディノ・トップメラー前監督のもとで堂安は躍動していた。フランクフルトが志向する前線からの積極的なプレッシング、右サイドからの鋭いカットイン、守備時の献身的なボール奪取——移籍金2100万ユーロ(約36億円)を投じてでも獲得したかった「あの堂安」が、そこには確かに存在していた。地元メディア『アイントラハトフォーラム』も「シーズン序盤は最高のパフォーマンスを発揮した」と認めていた。
しかしアルベルト・リエラ監督の就任が、すべてを変えた。
プレッシングの強度は急落し、堂安は本来の右サイドから引き剥がされ、インサイドハーフなど不慣れなポジションへと押し込まれた。堂安自身が「頭が混乱する」と吐露した言葉の重さは、他でもない選手本人の限界のサインだ。『アイントラハトフォーラム』も「リエラ監督就任後、チームのプレースタイル全体が彼の強みを奪っている」と断言し、さらに核心を突いた。「この状況が続けば、移籍金2100万ユーロは高すぎる」。
繰り返すが、批判の矛先は堂安の実力ではない。問われているのはクラブの用兵術であり、新監督の采配だ。契約は2030年6月末まで残る。とはいえ、現指揮官が来季もチームに残るとなれば、起用法がフィットしないことを理由に移籍を視野に入れる可能性は十分考えられる。
EAスポーツが「今季のベスト」と称えるその選手を、クラブは最適なポジションすら与えられていない。この矛盾が解消されないまま来季を迎えるならば、36億円の投資に対して「浪費」という烙印が押される。
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