韓国代表 ワールドカップ

監督への殺害予告が示す韓国サッカー界の混迷、復活への3つのプラン

韓国代表 サポーター 写真:アフロスポーツ

プラン3:ファンコミュニティ中心のシステム構築と「日韓定期戦」の復活

韓国代表公式サポーター団体「プルグンアンマ(赤い悪魔)」が、「私たちは真心を捧げ、結局、バカになってしまいました」と述べ、ホン監督に対し「国民の前にひざまずいて、サッカー界を永遠に去らなければならない」と要求するほどファン離れが進んでいる。だが、怒号だけでは未来は築けない。サッカーを娯楽から文化に変える必要がある。

具体的なプランとしては、ファン参加型ガバナンスの導入が挙げられる。サポーター代表を協会諮問委員会に登用し、試合日程やチケット価格、代表戦の演出に意見を反映させる。SNSを活用した透明な意見の公募システムを構築する。

また、Kリーグの活性化も重要だ。2023シーズン、有料入場者集計開始(2018年)以降で初めて1部リーグの平均観客動員数が1万人を超えたKリーグだが、外国人選手枠の見直しや、女性や子ども向けコンテンツ拡大で市場を広げる。eスポーツやVR観戦技術を導入し、若年層の取り込みを図るのも妙案だ。

さらに国際連携を深化させ、FIFAやAFC主催大会誘致を増やし、政府介入に頼らないサッカー外交を推進させる。いまや“格上”となった日本代表との年1度の交流戦「日韓定期戦」を復活させ、底上げを図る。JFA(日本サッカー協会)や日本代表のファンには抵抗があるかもしれないが、韓国にとっては成長の糧となるはずだ。アジア大会やAFCアジアカップでの経験を、W杯2030年大会へのステップにしたいところだ。

以上の施策によって、国民の不満を建設的な方向へと転換する。政府は補助金監査に留め、協会の自主性を尊重する形にシフトすべきだ。今年6月、政府機関による協会運営への介入が「第三者による干渉」としてFIFA規約違反と判断され、ネパールサッカー協会(ANFA)が資格停止処分を受け、男女のA代表と年代別代表は、FIFA加盟国との公式戦や親善試合を実施できなくなったほか、国際大会への参加資格も停止された。過去にはナイジェリアやケニアなどでも同様の理由で資格停止となった例がある。過去から学べば、FIFAからの罰則は避けられるだろう。


どん底から抜け出す道は内部の自浄作用にある

今回の惨敗を個人の責任だけで片付けず、全体的構造の問題として直視しなければならない。派閥主義と短期結果主義の悪循環を断ち切るには、3つのプランを同時並行で進めることが不可欠だ。

パク・チソン氏の言葉を借りれば、「数年前から予想できた結果」を繰り返さないために、今こそ本気の改革が求められる。FIFA規定を遵守しつつ、国民の期待に応えるサッカー界にするため、代表チーム復活の鍵は、外部依存ではなく内部からの自浄作用にある。今大会の屈辱がV字回復の序章となることを、ライバルである隣国として期待しつつ注視していきたい。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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