韓国代表 ワールドカップ

「アジアの虎」はなぜ崩壊したのか。韓国W杯惨敗の深層、戦術不在・組織腐敗

韓国代表 写真:アフロスポーツ

2026年6月25日、韓国・ソウルの光化門広場は、深い絶望と沈黙に包まれていた。FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会のグループリーグ第3戦、韓国代表は格下であるはずの南アフリカ代表に0-1で敗北を喫した。

この日、現地で行われたパブリックビューイングには2万人以上のサポーターが集結し、熱狂的な声援を送っていたが、試合終了のホイッスルとともにその熱気は凍りついた。至る所から「なぜこんな負け方をするのか」「単なる実力不足だ」と憤りの声が上がり、ある若きサポーターは「戦術もなく、ボールを前に蹴るだけだった」と肩を落とした。その後、他会場の試合結果により、韓国の2大会ぶりとなるグループリーグ敗退が正式に決定した。

「アジアの虎」と称された韓国代表が、なぜこれほどまでに惨めな結末を迎えることになったのか。その背景には、ピッチ上の戦術不在だけでなく、チーム内外で吹き荒れた異常事態、そして組織の根深い腐敗があった。


イ・ジェミョン大統領 写真:アフロスポーツ

大統領も失望を表明、国家的騒動に発展した敗退の衝撃

FWソン・フンミン(ロサンゼルスFC)、MFイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)、DFキム・ミンジェ(バイエルン・ミュンヘン)といった世界的なトップクラブで活躍する選手を複数抱えながら、韓国はグループリーグで姿を消すことになった。韓国メディアはこの事態を「韓国サッカーの歴史に刻まれる屈辱の日」と断じ、厳しく批判した。

この敗退劇は、単なるスポーツの枠を超えた国家的な騒動へと発展している。敗退が決まった直後、李在明(イ・ジェミョン)大統領が自身のSNSを更新し、「予想外の結果に戸惑いを越えて呆然とする思いです」と深い失望を表明する異例の事態となったのだ。大統領自らが公の場で代表チームの惨状に言及することは、韓国国民がいかにこの結果に衝撃を受け、落胆しているかを如実に物語っている。しかし、現場の崩壊は大会前からすでに始まっていたのである。


ソン・フンミン 写真:アフロスポーツ

エースの孤立と無策な采配が招いた現場の崩壊

ピッチ上で韓国代表を蝕んでいたのは、深刻な「戦術の欠如」だった。最大の武器であるべき絶対的エース、ソンが前線で孤立し、機能不全に陥っていたからだ。韓国サッカーのレジェンドであるパク・チソン氏は、「ソン・フンミンにつながるパス自体が少ないのは、現在の代表チームの攻撃面における大きな課題だ」と鋭く指摘している。「フィニッシュの精度の高さという長所を活かすために、チームとしてどのようにスペースを作り、どうパスを供給するのか。より効果的な攻撃の組み立てをデザインする必要がある」と語るように、チームとしての意図的な攻撃の形は皆無に等しかった。

ホン・ミョンボ監督の無策な采配も批判の的となった。南アフリカとの運命の最終戦において、ホン監督は2014年のブラジル大会から代表でプレーしてきたソンを、W杯本戦で初めて先発から外すというギャンブルに出た。「相手に体力がある前半より、後半に空間ができたとき、ソンを投入するのがいいと判断した」という目論見は外れ、かえって攻撃は停滞した。

さらに、コンディション調整の失敗も致命傷となった。メキシコ、モンテレイの蒸し暑さと高い湿度に対応できず、選手たちは試合が進むにつれて疲弊していった。選手層の薄さも露呈し、ベストメンバーであるキム・ミンジェが負傷交代した際などに、代役となる選手が存在しないという脆弱さがチームを窮地に追い込んだのである。


ファン・インボム 写真:アフロスポーツ

兵役騒動に敗者への怒声、精神的余裕を失ったチームの末路

戦術の崩壊に加え、チームの精神的な余裕のなさを象徴するトラブルがピッチ外で次々と発生していた。その最たるものが、大会前に勃発した自国メディアへの「出禁」騒動である。

メキシコのグアダラハラで行われたオープントレーニングの際、韓国メディアの取材陣がソンらの「兵役免除」を揶揄する私的な会話がそのまま公開されるという不祥事が起きた。記者がソンを指して「軍隊で走るように走っているな」と皮肉り、別の人物が「軍隊にも行っていない奴らが」と嘲笑する音声が流出したのだ。これに代表チーム側が激怒し、ソンらがミックスゾーンで自国メディアの質問を完全に無視するなど、事実上の取材拒否という前代未聞の事態に発展した。

チームの極限のプレッシャーは他国との衝突も引き起こした。南アフリカ戦の敗北直後、ミックスゾーンで大声で歌いながら勝利を祝う南アフリカの選手たちに対し、苛立った韓国代表のMFファン・インボムが「礼儀をわきまえてくれ」と声を荒らげた。通常であればスルーされるべき相手の歓喜に対しても過剰に反応してしまうほど、韓国代表の選手たちは精神的に追い詰められ、余裕を完全に失っていたのである。

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名前:秕タクオ

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