ワールドカップ 日本代表

ドラマはここで起きる!日本代表W杯「グループリーグ第3戦」の軌跡と展望

日本代表 写真:アフロスポーツ

日本代表にとって、FIFAワールドカップ(W杯)のグループリーグ第3戦は、常に運命を左右する舞台だ。勝てば決勝トーナメント進出を手にし、負けても他会場の結果次第では希望が残る。日本代表が出場した過去7大会では、初ゴールが生まれた喜びから、歴史的な逆転勝利、議論を呼んだ戦術的な”時間潰し”まで、様々なドラマが繰り広げられてきた。

全てのチームに当てはまることだが、W杯グループリーグ第3戦は、これまでの2戦の結果が絡むため、選手起用や戦術に大きな影響を与える。勝利した大会では突破を決め、敗退した大会では厳しい現実を突きつけられる。日本代表の成長過程を象徴するこの一戦を通じて、チームの成長、監督の胆力、強豪相手での対応力だけではなく、サッカーが”メンタルスポーツ”である側面も浮かび上がる。

ここでは、初出場した1998年フランス大会から2022年カタール大会までのW杯グループリーグ第3戦を大会ごとに振り返る。勝ち点の状況、対戦相手、試合展開、得点シーン、グループリーグの最終結果を中心に触れ、語り継がれているトピックスも解説。過去の教訓を踏まえ、2026年北中米大会に向けたヒントも探りたい。


中山雅史 写真:アフロスポーツ

1998年フランスW杯(対ジャマイカ代表/1-2)

W杯初出場で3戦全敗も初ゴール&史上最年少出場

日本代表がW杯本大会に初参戦した1998年フランス大会。初戦のアルゼンチン代表、第2戦のクロアチア代表に敗れ、既に敗退が決定していたが、グループH第3戦で、共に初出場のジャマイカ代表と対戦した。結果は1-2で敗れたが、FW中山雅史が決めたゴールが日本代表のW杯史上初得点として記録された。一方、エースながら不発に終わったFW城彰二には、帰国時にファンから水を掛けられるという”事件”も起きた。

大会全体を通じて初出場の壁に苦しみ、3戦全敗でグループ最下位。初ゴールという歴史的瞬間はあったものの、岡田武史監督が目標としていた「1勝1敗1引き分け」には遠く及ばず、決勝トーナメント進出はならなかった。しかし後半34分にMF小野伸二がMF名波浩に代わって途中出場。ファーストタッチで相手選手を股抜きでかわすなど好プレーを見せた。小野は当時18歳と272日。このW杯日本代表史上最年少出場記録は今も破られていない。


2002年日韓W杯(対チュニジア代表/2-0)

開催国として史上初の決勝トーナメント進出を決める

自国開催の2002年大会、1勝1引き分けで臨んだ第3戦ではチュニジア代表を2-0で下した。得点者はMF森島寛晃とMF中田英寿。森島は当時J2に降格していたセレッソ大阪からの選出だったが、ゴールで貢献。エースの中田が追加点を挙げ、勝利を収めた。

この結果により、日本代表はグループ1位で突破を決め、初の決勝トーナメント進出を達成。開催国としてのプレッシャーの中でつかんだこの快挙は、サッカー人気をさらに高めるきっかけとなり、日本中が熱狂した。


中田英寿氏 写真:アフロスポーツ

2006年ドイツW杯(対ブラジル代表/1-4)

強豪ブラジルに大敗で中田が突然の現役引退

2006年ドイツ大会第3戦は、1敗1引き分けで臨むこととなり、勝利のみが求められる状況で立ちはだかったのはブラジル代表。FW玉田圭司が先制点を挙げ、一瞬、夢を見たファンも多かったが、終わってみれば1-4の大敗。ブラジル代表の攻撃力に圧倒され、1勝もできずグループリーグ最下位で敗退した。

中田英寿が試合後にユニフォームで顔を覆いながらピッチで仰向けに横たわったシーンは、この大会を象徴するものとなったが、大会が佳境を迎えた7月3日に現役引退を表明。その後、グローインペイン症候群(股関節痛)に悩まされていたことが分かり、レンタル元のフィオレンティーナとも、レンタル先のボルトン・ワンダラーズとも契約延長せず、ジーコ監督らごく一部にはこの大会限りで引退することを告げていたことも明らかとなった。この大会は世代交代の転機としても記憶され、強豪との差を改めて痛感させられた。


2010年南アフリカW杯(対デンマーク代表/3-1)

美技FK連発でデンマークを破り2位突破

2010年南アフリカ大会、グループE第3戦は、1勝1敗で臨んだデンマーク代表戦で3-1の快勝を飾り、下馬評を覆して決勝トーナメント進出を決めた。MF本田圭佑が得意の無回転直接FKで先制し、MF遠藤保仁がカーブを描く美しい直接FKで追加点を奪い、FW岡崎慎司がダメ押しの3点目を加えた。

セットプレーからの得点が光り、グループリーグを2位突破。この試合は、日本代表の戦術的な成熟と個人技の進歩を示す一戦となった。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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