
日本時間6月15日、テキサス州のダラス・スタジアムで開催されたFIFAワールドカップ(W杯)北中米大会グループFの初戦(日本代表対オランダ代表)は、世界中のフットボールファンを熱狂の渦に巻き込む2-2のドローとなった。
海外メディアから「今大会最高のベストマッチ」と称賛されたこの試合は、両チームの高度な戦術的駆け引きと、最後まで諦めない劇的な展開が詰め込まれた至高の90分間に。密閉されたドーム内には声援が反響し、日本の劇的なゴールには中立のファンまでもが総立ちになって喜ぶほどの熱狂に包まれた。
この歴史的熱戦の裏側にあった戦術的意図、海外の評価、日本の次戦(6月21日/対チュニジア代表)への展望について、徹底的に解説したい。

日本の「我慢比べ」戦術、オランダ60%支配を封じた90分
試合全体を通じてボール保持率はオランダが60%を占める展開となったが、これは日本代表の森保一監督が意図して仕掛けた「我慢比べ」の戦術であった。日本はFW前田大然を左シャドーに起用し、ミドルゾーンでは彼を前に押し出した左肩上がりの【4-4-2】でプレッシャーをかけつつ、自陣深く押し込まれた際には【5-4-1】の強固なブロックを形成するという高度な可変守備を採用した。
この強固な組織的守備の前に、オランダは司令塔のMFフレンキー・デヨングを最終ライン付近まで下ろしてビルドアップを試みるものの、危険なエリアへの侵入を完全に制限され、前半の決定機をわずか3回に抑え込まれた。
メディアが「日本は意図的にボールを持たせ、オランダが焦ってミスを犯すのを虎視眈々と待っていた」と指摘するように、日本の非保持の完成度は極めて高いものであった。また、保持・非保持を自在に切り替える日本の流動性は、「クーマン率いる現在のオランダよりも、かつての有名なトータルフットボールに近い」と最大級の賛辞で表現されている。
後半に入り、オランダはDFファン・ダイクのFKの流れから先制する。しかし、日本は焦ることなく反撃を開始した。MF久保建英が右から左へとレーンを越えて移動し、相手のマークを混乱させたところから、MF中村敬斗が鮮やかな同点ゴールを奪取。その後、相手のFWクリセンシオ・サマーフィルに強烈なカットインから勝ち越しゴールを許してしまうが、ここで森保監督は交代枠を使い、攻撃的な【3-1-4-2】へとシフトチェンジする通称「ファイヤーフォーメーション」を発動した。
オランダのロナルド・クーマン監督が、リードを守るためにサマーフィルやFWドニエル・マレンといったスピードのあるアタッカーを下げて3センターバックに変更したことは、結果的に日本の反撃の勢いを生む「失敗交代」となった。その結果、迎えた88分、見事にデザインされたMF伊東純也のコーナーキックからFW小川航基の強烈なヘディングがMF鎌田大地に当たってゴールネットを揺らし、執念の同点劇で幕を閉じたのである。
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