ワールドカップ 日本代表

W杯サプライズ招集劇5選。アロハシャツからハットトリックまで

ニクラス・フュルクルク(左)町野修斗(右)写真:アフロスポーツ

FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会開幕を6月11日に控え、参加各国の代表チームの最終メンバーが続々と決まりつつあり、いよいよ決戦ムードが盛り上がってきた(日本代表メンバーの発表は5月15日に行われる予定)。

しかしながら、発表後に不運にも、負傷などに伴い、夢舞台を諦めざるを得なくなった例も存在する。その際は急遽、一度は落選した選手が招集され、大きな話題を呼んだケースもある。

大会規定では、「大会の初戦開始24時間前までに、FIFAの医療責任者が負傷または深刻な病気と認めた場合に限り、登録メンバー(最大26人)の入れ替えが可能」と定めている。この救済措置によって、一度は落選した選手が急きょ再招集されるというドラマが生まれる。

これらの“スクランブル招集”は、本人にとってもサプライズだ。チームに新風を吹き込み、シンデレラストーリーを生むきっかけとなることが少なくない。ここではそんな衝撃の招集劇で話題になった選手5人を紹介したい。


町野修斗 写真:アフロスポーツ

町野修斗(日本代表FW/2022カタール大会/当時湘南ベルマーレ)

「出場ゼロ」だったが飛躍のきっかけに

2022年カタールW杯で、日本代表の追加招集として最も記憶に新しいのがFW町野修斗だ。本大会メンバー発表後、DF中山雄太(当時ハダースフィールド)が右アキレス腱を断裂。開幕約2週間前というタイミングで、町野が招集された。

当時湘南に所属していた町野は、国内組中心で挑んだE-1選手権での活躍が評価された形だ。一度はメンバーを外れていただけに、本人も驚いただろう。2019年から2シーズン、ギラヴァンツ北九州に所属していたことで、日本サッカー史上初めて、J1・J2・J3・欧州5大リーグ全てのカテゴリーで出場・得点を記録した選手でもある。

日本代表で唯一「出場ゼロ」に終わったものの、祭典の雰囲気を味わったことで欧州進出を決意。2023年6月にブンデスリーガのホルシュタイン・キールに完全移籍。2024/25シーズンに2桁得点を記録したものの、キールは2部に降格。しかし町野は2025年7月、ボルシア・メンヘングラートバッハに移籍金675万ユーロ(出来高ボーナス325万ユーロ)で完全移籍。ボルシアMGでは十分な出場機会を得られていないが、逆転でのメンバー入りを虎視眈々と狙っている。


ランダル・コロ・ムアニ(フランス代表FW/2022カタール大会/当時アイントラハト・フランクフルト)

日本ツアーからトンボ帰りで参戦

2022年カタール大会に臨むフランス代表で、FWクリストファー・エンクンク(当時ライプツィヒ)の負傷により、FWランダル・コロ・ムアニが急きょ招集された。コロ・ムアニはフランクフルトのジャパンツアーに帯同し、来日中だったが、予定されていた浦和レッズ戦(11月16日/埼玉スタジアム)、ガンバ大阪戦(11月19日/パナソニックスタジアム吹田)に出場することなくカタールへと直行した。

コロ・ムアニは、本大会で徐々に出場機会を増やし、準決勝のモロッコ戦(12月14日/アル・バイト・スタジアム/2-0)で得点を記録し、決勝戦のアルゼンチン戦(3-3/PK戦4-2)にも出場するなど代役以上の働きを見せ準優勝に貢献。急な招集ながら、大きなインパクトを残し、自身もパリ・サンジェルマンへとステップアップした。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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