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チェルシー崩壊の理由とは?ロシニアー解任の真相と次期監督候補【プレミアリーグ】

シャビ・アロンソ 写真:アフロスポーツ

スタンフォード・ブリッジを託されるのは誰か?

ロシニアー解任後、チェルシーは暫定監督として元U-21監督のカルム・マクファーレンを再度指名し、残りのシーズンでFAカップ優勝やヨーロッパリーグ出場権獲得を目指すこととなった。しかし、真の焦点は来シーズン以降の正式監督人事にある。クラブは現在、次の候補者をリストアップしている。

アンドニ・イラオラ

今シーズン限りで契約満了を迎え、ボーンマスを去る見込みのイラオラは最有力候補の1人である。チームをリーグ屈指の攻撃的かつハイプレス志向の集団に育て上げ、2023/24シーズン以降はシュート阻止ターンオーバー数141回を記録している。チェルシーも同指標で130回とリーグ2位につけており、戦術的な親和性は高い。さらに、ブルーコ体制に不可欠な「選手の入れ替わり」への対応力にも優れ、新戦力を迅速に戦力化する手腕は高く評価されている。

マルコ・シルバ

フラムで5年間指揮を執り、今夏で契約満了を迎えるシルバも現実的な候補だ。プレミアリーグでの豊富な経験を持ち、手持ちの戦力に応じて柔軟に戦術を構築できる現実主義の指揮官である。現在の混乱しきったチェルシーにおいて、チームをまとめ上げ、継続的な成長をもたらす安定剤として決して軽視できない存在だ。

オリバー・グラスナー

今夏にクリスタル・パレスを離れると見られるグラスナーも注目される。クリスタル・パレスでのFAカップ制覇やフランクフルトでのヨーロッパリーグ優勝など実績は申し分なく、3-4-2-1システムを基盤に、中盤からの速攻とダイレクトな攻撃で攻守のバランスが取れたチームを構築する。ただし、フロントとの衝突や率直すぎる発言が波紋を呼ぶ傾向もあり、常に不安定なチェルシーの環境に気性の荒い人物を加えるのは危険かもしれないとの懸念もある。

シャビ・アロンソ

1月にレアル・マドリードを解雇されて以降、無所属の44歳。バイエル・レバークーゼンを無敗優勝に導いたダイナミックな3-4-2-1システムや、マドリードで培ったポゼッション重視のハイテンポなスタイルはヨーロッパ中のクラブが注目している。チェルシーの現有戦力に加え、アロンソの戦術を表現できる選手を補強できれば復権の可能性は十分にある。しかし、他クラブからの関心も非常に強く、招へいのハードルは高い。

セスク・ファブレガス

現在、監督界で最も注目される人物の1人であるセスク・ファブレガス。イタリア・セリエAのコモで魅惑的なポゼッションサッカーとセットプレー革命を起こしている。選手時代にはチェルシーでプレミアリーグを2度制覇した縁があり、ファンとの繋がりもある魅力的な選択肢だが、コモの共同オーナーでもある立場から、現環境を離れる可能性は低いと見られる。

フィリペ・ルイス

チェルシーの元選手で、母国ブラジルで名声を高めている若き指揮官も候補に挙げられるだろう。就任からわずか2年でブラジル全国選手権セリエAとコパ・リベルタドーレスを制覇し、昨年夏のクラブワールドカップではマレスカ率いるチェルシーをも撃破。要求の厳しいファン層を難なく乗り越える冷静さと、チームを勝利に導く粘り強さを備えており、混乱極まるスタンフォード・ブリッジに秩序をもたらす存在となり得る。


チェルシーの次期監督選びは、単なる戦術転換にとどまらない。崩壊したロッカールームの信頼を回復し、離れつつあるファンの支持を取り戻すための、極めて重要な決断となる。首脳陣は、DFリース・ジェームズやMFモイセス・カイセドとの長期契約延長を根拠に、選手との関係性が良好であると主張しているものの、クラブの方向性に対するチーム内外の疑念を払拭するのは容易ではない。

実際、ある主力選手に近い関係者は「ロシニアー解任は理解できるが、現体制のままでチームがどう成長していくのかは想像しにくい」と漏らしており、チェルシーの未来には依然として暗雲が立ち込めていると言わざるを得ない。次期監督に誰が就任するにせよ、待ち受けるのは過酷な現実だ。強烈なプレッシャーにさらされながら、流動的な選手構成をマネジメントし、短期間で結果を出すと同時にチームを再び一つにまとめ上げなければならない。それは現代サッカーにおいて、最も困難なミッションの一つと言っても過言ではない。

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名前:秕タクオ

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