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本命19人で残り7枠、史上最難の森保ジャパンW杯メンバー選考を読む

日本代表 写真:アフロスポーツ

3月31日(日本時間4月1日)、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたキリンワールドチャレンジ2026で、日本代表はイングランド代表に1-0で歴史的な初勝利を収めた。この試合がW杯北中米大会(6月開幕)前の事実上の最後のテストマッチとなった。

歴代最も選手層が厚いと言われるサムライブルーだが、それはすなわち史上最も人選が難しいW杯メンバー選考でもある。8年という歴代最長政権の集大成となる森保一監督は、5月31日に国立競技場で行われる壮行試合(キリンチャレンジカップ)前後に最終メンバーを発表する方針だ。一体どんなドラマが待ち受けているのか、ひと足早く展望する。


森保一監督 写真:アフロスポーツ

26枠をめぐる争奪戦

W杯メンバーの大枠が確定するまで残りの国際試合はなく、選手たちにできるのはクラブでアピールし続けることだけだ。

森保ジャパンはW杯アジア最終予選後、世界の強豪との強化試合を積み重ね、5勝2分1敗でブラジルやイングランドといった強国を撃破してきた。招集されなかった選手は負傷者を除き、メンバーに選ばれる可能性が限りなく低いと言っていいだろう。

現時点で筆者が選んだ「当確」は10名、「優勢」が9名で、この時点ですでに19名に達する。残りの枠はわずか7つ。「当落線上」19名と「大穴」5名から、7人しかW杯に行けない計算だ。ケガ人が出れば枠が広がる可能性もあるが、それもまた別のサプライズを生む。

1998年フランス大会では、日本初出場の衝撃とともにFW三浦知良(カズ)の落選が列島を揺るがした。8大会連続出場となる2026年大会では、1人や2人では収まらないサプライズ落選がこのリストからは十分に想像できる。


守田英正(中央)写真:アフロスポーツ

ポジション別の注目争い

中盤――守田は構想外か

最もサプライズになりそうな存在が、スポルティングCP所属のMF守田英正だ。W杯アジア最終予選で主力を務めた守田は、実力的には「優勢」でもおかしくないが、大穴に入れた。

守田は2025年3月20日のアジア最終予選バーレーン戦(埼玉スタジアム2002)を最後に代表に招集されていない。当初は負傷が理由と見られていたが、スポルティングCPのUEFAチャンピオンズリーグ躍進に大きく貢献しても呼ばれないことから、森保監督の構想外になっている可能性が高い。

守田はボール配給に優れ、ポゼッションを重視するポルトガルのサッカーとの親和性は高い。ボールを支配して崩すアジア相手の戦いでは非常に有効だった。しかし世界上位国と対戦する際には、守備で粘り強く耐えてボールを奪いカウンターを発動するスタイルを森保監督は優先していると見られ、そのコンセプトを体現するのがMF佐野海舟だ。現状ではMF鎌田大地と佐野のコンビが最有力で、守田の代表復帰は厳しい局面にある。アンカーポジションに故障者が続出した場合のみ、サプライズ復帰の可能性が出てくる。

なお、DF瀬古歩夢(ル・アーブル)はセンターバックの控えという位置づけだが、クラブでは守備的MFとして存在感を発揮しており、アンカーとしてテストしてほしかった選手でもある。

センターバック――混沌としたポジション争い

センターバックは予想が非常に難しいポジションだ。負傷からの回復途上にあるDF板倉滉とDF冨安健洋(ともにアヤックス・アムステルダム)、DF伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン)、DF谷口彰悟(シントトロイデン)といった古参メンバーに加え、新戦力の台頭も著しい。

DF安藤智哉(ザンクトパウリ)は、J3でキャリアをスタートさせ、数年前までJ2でプレーしていた遅咲きの選手だ。W杯出場となれば文字通りのシンデレラ・ストーリーになるが、英国遠征など重要な試合を前に負傷で招集を見送られ、アピールの機会が限られてしまったことが悔やまれる。

前線――ジョーカー争いは混戦

途中出場で攻撃にアクセントをつけるアタッカー争いは、各選手が異なる個性を持っており甲乙つけがたい。その中で大穴に挙げたのが、MF望月ヘンリー海輝(町田ゼルビア)だ。対人プレーや空中戦といった強度を求められる局面では強力な切り札になり得るが、90分間を通したプレーには波がある。選出されるとすれば、森保監督が修羅場で使える一枚を手元に置いておきたいという意思の表れになるだろう。

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名前Takuya Nagata
趣味:世界探訪、社会開発、モノづくり
好きなチーム:空想のチームや新種のスポーツが頭の中を駆け巡る。世界初のコンペティティブな混合フットボールPropulsive Football(PROBALL)を発表。

若干14歳で監督デビュー。ブラジルCFZ do Rioに留学し、日本有数のクラブの一員として欧州遠征。イングランドの大学の選手兼監督やスペインクラブのコーチ等を歴任。アカデミックな本から小説まで執筆するサッカー作家。必殺技は“捨て身”のカニばさみタックルで、ついたあだ名が「ナガタックル」。2010年W杯に向けて前線からのプレスを完成させようとしていた日本代表に対して「守備を厚くすべき」と論陣を張る。南アでフタを開けると岡田ジャパンは本職がMFの本田圭佑をワントップにすげて守りを固める戦術の大転換でベスト16に進出し、予言が的中。

宇宙カルチャー&エンターテインメント『The Space-Timer 0』、アートナレッジハブ『The Minimalist』等を企画。ラグビーもプレーし広くフットボールを比較研究。

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