繰り返す監督交代でバラバラなサッカー
繰り返す清水の監督交代を振り返ると、2018年にはヤン・ヨンソン監督がシーズンを通して務め、チームはJ1で8位に入った。しかしヨンソン監督は翌2019年の5月に解任となり、コーチを務めていた篠田善之監督へと交代する。結果は12位。
ピーター・クラモフスキー監督を招聘し挑んだ2020年も低迷し、11月に契約解除。コーチを務めていた平岡宏章監督へと交代となった。チームは16位。
2021年には、東京ヴェルディ、セレッソ大阪で高い勝率を誇ったミゲル・アンヘル・ロティーナ監督を招聘。しかしまたも11月に契約解除となり、コーチに戻っていた平岡氏が再び監督に。チームは14位だった。そして今2022年は平岡監督が続投となりチームは現時点16位、リカルド政権へと移った流れだ。
コーチが暫定的に指揮した期間は仕方ないにしても、シーズンはじめから指揮を執った監督たちの志向するサッカーはバラバラに映る。成果が出なかったからと違うサッカーに取り替える、ということを繰り返しているようにみえてしまう。
2022シーズン首位を争う川崎フロンターレ、鹿島アントラーズ、横浜F・マリノスがいずれも長期的に一貫性がある一方で、それが欠けるクラブはやはり、長期的な成功は難しい。
リカルド監督の最初の仕事とは
清水は2021年、そして今季2022年に向けて大型補強を行っている。しかしいくら補強しようと目に見える成果が出ていない理由は、この一貫性のなさが原因なのではないだろうか。
リカルド監督が最初にこなさなければならない仕事の1つは、個々の選手の見極めだ。だがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場クラブ(川崎、浦和レッズ、横浜FM、ヴィッセル神戸)をも上回る37人もの選手を抱えている清水では、それも簡単ではない。
日本代表のGK権田修一、U-21日本代表のMF松岡大起、将来の日本代表入りが期待されるMF鈴木唯人など、優れた選手が多数所属していることは間違いない清水エスパルス。リカルド新監督のもと、J1での順位を上げることはもちろん、クラブが目指すサッカーを明確にすることに期待したい。
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