
4位:モロッコ代表(12か国)
散らばる先はすべて1部リーグ、実力者揃いの強豪
2022カタールW杯で4位に入り、アフリカネイションズカップ2025年大会の王者となったモロッコ代表。欧州を中心に中東リーグへの所属も特徴で、FIFAランキングではアフリカ最上位の7位に位置する。その所属クラブは12か国・12リーグに及ぶ。
フランス、イングランド、スペイン、オランダ、ドイツ、ベルギー、モロッコ、イタリア、ギリシャ、サウジアラビア、エジプト、UAEのクラブに選手が在籍。特筆すべきは、全員が各国の1部リーグに所属していることだ。
グループステージはC組。ブラジルと同居するが、他の2チームがスコットランドとハイチであることから、取りこぼしさえなければ決勝トーナメント進出は濃厚だ。順位次第では、決勝トーナメント1回戦で日本代表と対戦する可能性もある。
5位タイ:キュラソー代表(10か国)
初出場でも侮れない、25人がオランダ生まれの精鋭
カリブ海の小国キュラソーは、W杯初出場ながら、26人がほぼ別々のクラブに所属し、クラブ単位の分散度では出場国随一だ。選手の多くがオランダ系のルーツを持ち、欧州を中心に世界各地へ所属先が広がっている。その所属クラブは10か国・13リーグに及ぶ。
内訳は、オランダ(1部、2部)、イングランド(プレミアリーグ、EFLチャンピオンシップ)、トルコ(1部、2部)、ギリシャ、イスラエル、アメリカ(USL)、ベルギー、スイス、ドイツ、マレーシアと多岐にわたる。ここまで広く分散している要因は、移民ネットワークの影響が大きいとみられる。
国内リーグ(キュラソー・プロメ・ディビジョン)も存在するが、人口約15万人のオランダ領の島国ゆえに国内組は少なく、26人中25人がオランダ出身。海外でプレーする選手をかき集めた結果、多国籍度の高さにつながっている。E組でドイツ、エクアドル、コートジボワールと同居するが、番狂わせを起こせるか、その戦いぶりに注目だ。
5位タイ:コートジボワール代表(10か国)
AFCON王者、所属は10か国に分散
アフリカの強豪コートジボワール代表も、所属クラブの多様性で上位に並ぶ。3大会ぶり4度目の出場となるチームで、選手の大半が欧州各国のリーグでプレーしている。その所属クラブは10か国・10リーグに及ぶ。
所属クラブ国はフランス、イングランド、イタリア、ポルトガル、ドイツ、ベルギー、トルコ、ギリシャ、スロベニア、サウジアラビアに分散している。旧宗主国フランスのリーグ・アンを中心に、欧州5大リーグから中堅リーグ、中東までまで幅広く在籍する。
主将のMFフランク・ケシエ(アル・アハリ/サウジアラビア)を軸に、DFエヴァン・エンディカ(ローマ/イタリア)、FWアマド・ディアロ(マンチェスター・ユナイテッド)、FWシモン・アディングラ(モナコ)ら欧州の主要リーグで活躍する選手が揃う。アフリカネイションズカップ2023を自国開催で制した実力者集団だ。
指揮を執るのはエメルス・フェ監督。今大会ではE組でドイツ、エクアドル、キュラソーと同組に入った。アフリカ予選を無失点で勝ち抜いた堅守を武器に、初の決勝トーナメント進出を狙う。

日本代表との比較
実質5位タイ相当の多国籍度を誇る森保ジャパン
参考までに、日本代表の所属クラブは10か国・11リーグで構成されている。内訳は日本のJリーグを含め、ドイツ、オランダ、ベルギー、イングランド、フランス(1部、2部)、イタリア、スペイン、デンマーク、スコットランドのリーグだ。ドイツのブンデスリーガから6人、オランダのエールディビジから5人と欧州各国に分散しており、この10か国はランキングに当てはめれば5位タイのキュラソーやコートジボワールと並ぶ数字となる。仮にMF守田英正(スポルティングCP/ポルトガル)が選出されていれば、さらに1か国・1リーグ増えていた計算だ。
日本代表は、出場48か国の中では比較的国際的分散度が高い。欧州主要リーグで活躍している選手が多いことが、この数値に表れている。Jリーグからの選出が3人のみという現実は寂しさもある一方、国際競争力の高さの証とも言える。だが決してJリーグのレベルが低いわけではない。実際、韓国代表にGKキム・スンギュ(FC東京)とDFキム・テヒョン(鹿島アントラーズ)が、オーストラリア代表にFWテテ・イェンギ(町田ゼルビア)とDFジェイソン・ゲリア(アルビレックス新潟)が選出されている。
カギを握るのは「移民」、多国籍度が高まる背景
上位チームに共通するのは、移民やディアスポラ(民族離散)の存在だ。キュラソーやカーボベルデのような小国は、国内の選手だけでは代表を強化しにくいため、海外在住のルーツを持つ選手を積極的に招集する。結果として、所属クラブが多岐にわたり、視察自体が大変な仕事となりやすい側面もある。
一方で、多様なリーグ経験は選手個々の適応力を高め、国際大会での戦術的柔軟性につながる可能性を持っている。ただ、チーム内の共通言語や文化の統一が課題となるケースも想定される。そういう意味では、欧州組が多いにもかかわらず、日本語でコミュニケーションが取れる日本代表にはアドバンテージとなる。
W杯は回を重ねる度に各チームの多様性が戦術に影響を与える重要度が大きくなっている。所属クラブの分散は、単なる数字の比較ではなく、現代サッカーのグローバル化を象徴しているのだ。
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