
ヴィッセル神戸は20日に行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)準決勝で、サウジアラビアのアル・アハリに敗北。ベスト4で大会を後にしたが、ミヒャエル・スキッベ監督が試合後の記者会見で発した言葉が、波紋を広げている。
試合直後、中東メディア『aawsat』の取材に応じたスキッベ監督はこう語った。「日本とサウジアラビアの間には大きな差があると思う。サウジアラビアでは資金面の余裕やスター選手の存在により、サッカーへの投資がより大きく可能になっている」
なぜスキッベ監督はそう思うのか。背景にあるのは、試合内容だけではない。神戸はこの日、決定機を複数回逃し、セットプレーの守備でも失点を許した。「セットプレーについては、守備面でも攻撃面でも、もっと良い対応ができたはずだ。相手は強いチームであり、セットプレーをうまく活用する」「我々には多くの決定機があったが、それを生かせなければ問題に直面する。そして実際にこの試合ではそれが起きた」——監督自身がそう認める内容だった。
一方で、スキッベ監督はACLE全体の運営については「非常に素晴らしく、よく組織されていた。我々は試合に向けて準備ができていたと思うし、この大会に参加したすべてのチームに対して、運営の成功を祝福したい」とも述べている。
このコメントは一読すると称賛に見える。だが、現実の文脈に置き直せば話は別だ。
準々決勝以降はサウジアラビア集中開催。神戸対アル・サッドの会場は試合開催2日前に突如変更された。そしてACLEのファイナルステージは2028/29シーズンまで、サウジアラビアでの集中開催がすでに決定済みだ。「中立地開催」という建前のもと、中東勢が地の利を享受するのは明らかだ。
アジアサッカー連盟(AFC)による“中東優遇”が目立つ中で「よく組織されていた」と語ったスキッベ監督の言葉の裏に、何があるのか——読み手の解釈に委ねられている。
資金力の差、ホームアドバンテージの非対称性、そしてAFCの意思決定。Jリーグクラブがアジアの頂点を目指す限り、この「構造的な壁」は変わらない。町田ゼルビアが準決勝でどう戦うかに注目が集まる一方、スキッベ監督の「大きな差」というコメントの真意が気になるところだ。
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