
町田ゼルビアは17日に行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)準々決勝で、アル・イテハドと対戦。1-0で勝利しベスト4進出を果たしたが、同クラブ率いる黒田剛監督の経歴やマネジメント等に欧州から熱視線が注がれている。
ポルトガル『ア・ボーラ』は18日、「日本を驚かせ、コンセイソン率いるチームをACLで撃破した高校教師」という見出しのもと、黒田監督を特集。欧州の主要サッカーメディアが日本人監督をここまで本格的に取り上げるのは、極めて異例のことだ。
同紙の報道内容はこうだ。
「町田は2024年に日本の1部リーグに初昇格し、これまでプロとしての経験がなかった指揮官のもとで現在アジア・チャンピオンズリーグ準決勝に進出している。しかも、その監督はクラブを2部優勝に導いた年までプロの世界で働いたことがなかった人物である。そして決勝進出を懸け、次に立ちはだかるのはもう一人のポルトガル人指揮官だ」
「この物語はどこかで見たことがある。しかし、フットボールマネージャーやチャンピオンシップマネージャーの中ではなく、現実で起きているという点が重要だ。10年少し前まで日本の3部リーグに所属していた町田は、2023年に初めてトップリーグへ昇格。そして今回、セルジオ・コンセイソンが率いるアル・イテハドを破り、アジア・チャンピオンズリーグ準決勝進出を果たした」
「しかし、この急成長だけでも映画のような物語だが、ここ3年間の成功を支える人物を知れば、その驚きはさらに大きくなる。黒田剛である。黒田剛は55歳の指導者で、2023年までプロサッカーの世界で働いた経験が一切なかった。選手としても、そしてもちろん指導者としてもである。2022年まで黒田は青森山田高校で体育教師を務め、同校サッカー部の監督を28年間務めていた。その間に柴崎岳や松木玖生といった日本代表選手を育て上げた」
「さらに彼は青森山田高校を日本の高校サッカー界の強豪へと押し上げた。日本ではユース年代の競技が非常に重視されており、将来の代表チームの基盤として機能している。その中で、2016年から2022年の間に8つのタイトルを獲得した実績が、町田が彼にトップチームを任せる決定打となった」
「そして突然、それまでJ2中位に甘んじていたクラブが、黒田のプロ初年度に優勝を果たし、初のJ1昇格を達成した。その後、すでにおとぎ話のようだったストーリーはさらに続く。J1初年度、町田は第30節まで首位を走りながら終盤に失速し、最終的に3位でフィニッシュ。それでもアジア・チャンピオンズリーグ出場権を獲得した。この成果は、わずか2年前まで高校サッカーしか経験していなかった指揮官によるものだった」
「町田は黒田のプロ初年度にJ2優勝を果たした。評価が分かれる人物。町田で成功を収め、3位の翌シーズンは6位で終えながらも天皇杯優勝を果たした黒田だが、日本のサッカーファンの間で必ずしも支持されているわけではない」
「その理由は、日本において重視される規律や振る舞いの基準から外れていると見られている点にある。例えばベンチからピッチに向かって頻繁に唾を吐く行為などが問題視され、町田は対戦相手から「汚いチーム」と評されることもある」
「それでも日本代表監督候補として名前を挙げる声も存在する。ただし、彼のスタイルは現在の日本代表が確立してきたスタイルとは対極にある。黒田のサッカーは技術重視ではなく、より実利的である。堅固な守備、激しいデュエル、そして素早いトランジションに基づくものだ」(原文ママ)
ポルトガル発の視線は、ある意味で的を射ている。欧州のフットボール文化において、「元高校教師がCLに相当するアジア大会で元CLウィナーのクラブを下した」という事実は、純粋にニュースバリューを持つ。
だが、日本国内における評価の温度差は、見過ごせない問題をはらんでいる。「汚いチーム」というワードは、一度定着すれば容易に剥がれない。天皇杯制覇という実績があっても、今もなお黒田監督のスタイルに対する批判は存在する。ロングスロー前のタオル拭きや、PK前のボール水かけで騒動になったことは記憶に新しい。ACLEでのタイトル獲得とともに、「汚いチーム」というレッテルを取り除くことが求められる。
コメントランキング