
ヴィッセル神戸は16日に行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)準々決勝で、アル・サッドと対戦。試合開催2日前に突如試合会場が変更されるという洗礼を浴びたにもかかわらず、PK戦の末に勝利した。劇的な結末の陰で、アジアサッカー連盟(AFC)の杜撰な大会運営への怒りが日本国内だけでなく、中東からも燃え上がっている。
神戸の勝利は疑いなく称賛に値する。だが、この試合が「公正な条件」のもとで行われたと言い切れる者がいるだろうか。試合2日前の会場変更通達。チームスタッフの移動調整、現地入りした日本人サポーターへの影響、対戦クラブへの対応——その混乱をAFCは当然のこととして処理した。組織として機能しているとは、到底思えない対応だ。
そしてコンディション面の不均衡は、より根深い問題を突きつける。FIFA公認の代理人であるNwiserは自身のXにこう投稿した。
「アル・サッドは敗れた。内容では優勢で途中まで3-1とリードしていたにもかかわらず、コンディション面でその優位を維持できなかった。というのも、48時間前に試合を行っていたのに対し、相手は1週間の休養を取っていたからだ。その結果、日本のチームがコンディション面で上回ることとなった。この大会における最大の不公平であり、価値を下げている要因は、これらのラウンドをわずか1週間に詰め込み、本来のホーム&アウェー方式によるアドバンテージや大会の醍醐味を失わせている点にある」(原文ママ)
中東のサッカー関係者が、アル・サッドの敗北をコンディション格差と大会方式の欠陥で説明した——これは単なる敗者の言い訳ではない。アジアサッカー界の「内側」にいる人間が、公式大会の構造的欠陥を名指しで告発したのだ。
問題の核心は、ACLE準々決勝以降のファイナルステージが2028/29シーズンまで暫定的にサウジアラビアでの集中開催に固定されたという事実にある。「中立開催」と銘打ちながら、サウジアラビアのクラブを含む中東勢がホームに近い環境で戦えるこの方式に、日本国内では「中立でも何でもない」との批判が噴出していた。
むしろ、今回のNwiserの投稿が示したのは、その怒りが日本だけの感情論ではないということだ。集中開催によって本来のホーム&アウェーの旨みが消え、試合間隔の格差が勝敗を左右し、クラブの実力ではなくスケジュール管理能力が問われる大会——それが現在のACLEの実態である。
神戸は勝った。しかし、たとえばアル・サッドが今回と逆の立場、つまり1週間の休養を得た状態で神戸と戦っていたとすれば、結果は変わっていたか。誰も否定できないだろう。
会場変更による混乱、コンディション格差——これらが「たまたま重なった不運」で片付けられるなら、2028/29シーズンまでこの茶番が続くことになる。中東寄りと揶揄されていたAFCのやり方が、ついに現地でも見放されつつある。
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