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ヴィッセル神戸トゥーレルがACLE準々決勝後に涙!その裏にあった”日本愛”とは「長い目で…」

マテウス・トゥーレル 写真:アフロスポーツ

 ヴィッセル神戸所属のブラジル人DFマテウス・トゥーレルは16日、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)準々決勝のアル・サッド戦でスタメン出場。チームの勝利に貢献したが、試合後、人目もはばからず涙を流した。勝者が泣く。その光景が雄弁に語っていたのは、この試合にかけた想いの深さだけではなかったはずだ。

 試合の数日前、トゥーレルはブラジルメディア『ランセ』のインタビューに応じ、神戸残留の背景をこう明かしていた。「ここで100試合以上に出場し、タイトルや個人賞も獲得してきた。クラブとリーグの中で、とても良いキャリアを築いている」。異文化への適応を「できた」と過去形で言い切れる外国人選手が、近年のJリーグでどれほど存在したか。

 この発言が単なるリップサービスでないとすれば、ブラジル1部ヴィトーリアからのオファーを蹴った決断は、金銭条件や保証以上のものに裏付けられていると見るべきだろう。

 ブラジルメディア『Gazeta dourubu』によると、トゥーレルは「現時点ではアジアでのキャリアを続けることが最善」と判断し、母国復帰を明確に否定している。その理由として、トゥーレル自身が挙げたのが「チームメイト、スタッフ、そしてサポーターの忍耐強さ、長い目で見る姿勢」だった。

 むしろ注目すべきはACLEへの言及だ。「中東のクラブと対戦する難しさは理解している。それでも自分たちのポテンシャルと日々の献身を信じている」——。アジア制覇を本気で狙っている男の言葉であり、だからこそ勝利の後に流れた涙には、リーグ優勝を共に祝った記憶と、まだ手にしていないアジアの頂点への渇望が、同時に滲んでいたのかもしれない。

 トゥーレルの流した涙の意味を、多くの神戸サポーターが理解していることだろう。ACLE制覇まで残り2試合。ブラジル人ディフェンダーの挑戦は続く。