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吉田麻也らコスタリカ戦非難に「戦犯探しより…」共産党議員がメディア批判

日本代表の選手たち 写真:Getty Images

 森保一監督率いる日本代表は27日、FIFAワールドカップ・カタール大会のグループリーグ第2戦でコスタリカ代表に0-1と敗北。試合後ツイッター上では、失点に関与したDF吉田麻也(シャルケ)や、MF三笘薫(ブライトン)へほとんどパスを供給しなかったDF伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)を戦犯扱いするコメントが多くみられているほか、「戦犯探し」がトレンド入りしている。そんな中、奈良県大和高田市議会議員で日本共産党所属の向川まさひで氏が「戦犯探し」を巡るメディア報道に対して自身の意見を述べた。

 伊藤洋輝はコスタリカ戦では後半キックオフからDF長友佑都(FC東京)にかわって途中出場。しかし後半途中から左サイドに投入された三笘薫へほとんどパスを供給しなかったほか、バックパスが多かったことにより批判対象となっている。

 また吉田麻也は後半36分、ペナルティエリア内まで攻め込まれたシーンでセカンドボールにスライディング。クリアではなく繋ごうとしたがボールが中途半端に浮くと、MF守田英正(スポルティングCP)が収めようとしたところをDFケイセル・フレール(CSエレディアーノ)がカット。そのままペナルティエリア手前からシュートを放たれると、シュートはゴールマウス左隅に突き刺さった。

 ツイッター上で両選手への批判や誹謗中傷が数多く見られる中、向川まさひで氏は28日午前4時30分ごろに自身のツイッターアカウントを更新。「トレンドにある「戦犯探し」や選手・監督への誹謗などよりも、ただ必死で応援した結果の敗戦を悲しんだり悔しがったりしているサッカーファンの方がすっと多いと思うけれど、そのようなことが起きてしまうのはメディアの取り上げ方にも一因があるのではないかと思う」と、メディア報道に苦言。

 「気になったのは、中継番組等で出た否定的なコメントがそのまま一部メディアで「記事」として配信され、最も急進的な部分が「見出し」になっているものが多数あった点。専門家といえども試合中継中の感想には主観や事実誤認がありうるのに、記事化されることで「決定事項」のような印象を与えてしまう」と、サッカー中継やサッカー関連番組に出演している解説者のコメントを切り抜いた記事に「戦犯探し」加速の要因を求めている。

 なお日本共産党所属議員では、東京都中野区議会議員の羽鳥だいすけ氏がドイツ戦勝利後に「ドイツ代表選手が人権問題を巡るFIFAの決定に抗議。キックオフ前の記念撮影で口を塞ぐジェスチャーを見せた」という内容の記事を引用すると「日本とドイツのサッカー協会の差を見せつけられちゃうし、日本代表は勝っちゃうしで、残念というほかない」と投稿。

 日本代表勝利に「残念」を感想を述べたことにより批判が殺到したり、ツイッターで「日本嫌い」がトレンド入りすると「多くの方からご指摘がありまして現在は以下のように思っています。選手のみなさんは、努力を重ねフェアプレイで全力を尽くして戦ったわけで、その双方に対して敬意を払うことが政治に携わるものとして当たり前の態度でした。『日本代表が勝って残念』という言動は間違いでした。申し訳ありません」と謝罪していた。

 また試合後の日本代表選手や森保一監督に対する批判を巡っては、作家の乙武洋匡氏が「みんな、手のひら返しが酷すぎるぞ。こちとら手のひらないから、信じるしかない」と投稿。ドイツ戦勝利後の称賛と比較した上で、日本代表への批判に反発。来月2日のスペイン戦にむけて代表チームをサポートすることが先決との意見を示している。