バルセロナはフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンとFWウスマン・デンベレによる人種差別問題を受けて、7日に公式声明を発表している。
この問題は、バルセロナが2019年夏にプレシーズンマッチで日本を訪れた際、2選手がホテルで日本人への差別発言を行ったものであり、今月にSNS当時の動画が拡散。両選手は自身のSNSアカウントに謝罪のコメントを投稿しているが、多くのファンや関係者などから反発は収まりの気配を見せていない。
また、今月6日にはバルセロナと協力関係を築いている楽天グループの三木谷浩史会長兼社長も差別問題に言及。SNSに「FCBの選手が差別的発言をした事について、クラブのスポンサーまたツアーの主催者としてとても残念に思います。楽天はバルサの哲学に賛同し当クラブのスポンサーをしてきただけにこのような発言は、どのような環境下でも許されるものではなく、クラブに対して正式に抗議すると共に見解を求めていきます」と投稿し、バルセロナに対して抗議する姿勢を打ち出している。
これを受けて、バルセロナは7日に公式サイト内で声明を発表。「FCバルセロナは、数日前にソーシャルメディアに掲載された、トップチームの選手2名(ウスマン・デンベレおよびアントワーヌ・グリーズマン)が、滞在したホテルの従業員の方々などに侮蔑的な言動をとる様子が示された映像により、日本をはじめとするアジアのファンおよびパートナーの皆様に不快な思いをさせたことについて、非常に遺憾に思います。このような言動は、FCバルセロナが示し、守っていくべき価値観とは決して一致するものではありません」
「クラブおよびパートナーの価値は、FCバルセロナの経営陣、執行役員から、クラブの様々なスポーツチームの選手に至るまで、組織のあらゆるレベルにおいて守るべき信念です。クラブは、人種問題、差別、ダイバーシティに関する教育の改善を徹底します。FCバルセロナには、人種差別が入り込む余地はありません」
「2019年夏時点でクラブの責任は前経営陣および執行役員の手にありましたが、FCバルセロナは、不愉快な思いをされた全てのファンとパートナーの皆様に公式に謝罪いたします。現在クラブを運営する経営陣は、これに類する事象が今後繰り返されないよう、尽力いたします。両選手は既に、日本のファンおよびパートナーの皆様へ謝罪と後悔の念を示しておりますが、FCバルセロナは、今後も必要に応じて内部措置を講じてまいります」と声明を出している。
なお、現地メディアの報道では、今回の人種差別問題を受けて、バルセロナ首脳陣が両選手の放出に踏み切るとのことだ。ただ、デンベレに関しては、フランス代表の一員として臨んだEURO2020グループステージ第2節・ハンガリー戦で右大腿筋を損傷。すでにフィンランド国内で手術を行っており、復帰までおよそ4カ月を要することから、今夏のマーケット期間にオファーが届かないことが予想される。
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