Jリーグ 北海道コンサドーレ札幌

札幌MF金子拓郎と元ミランMFスソの共通点。「二人のロッソネーリ」の強みと弱点は…

北海道コンサドーレ札幌サポーター 写真提供:Gettyimages

強みにも弱点にもなったスソのワンパターンプレー

確かに右サイドから中央に絞り、左足でシュートやクロスをする彼らのプレーはゴールに繋がる可能性が非常に高い。しかし、スソはそのパターンを使いすぎたことでプレーが読まれやすくなった。

スソの最大の弱点は、プレーが読まれていると理解した後も進化を求めず、攻撃パターンを増やさなかったことであろう。その結果、1対1の場面で敗れることが増え、自信を失いかけた。ストレスを抱え始め、全体のプレーに乱れが現れた。

また、多くのゴールを生み出したスソのワンパターンプレーにかつては歓喜していたミランのサポーターも、「彼にはそれしかないの?」「そのパターンはもう通用するわけがないだろう!」などと飽きたかのような発言をするようになっていった。


北海道コンサドーレ札幌

金子が高みを目指すには

1年ほど前にJ1リーグデビュー(2020年3月30日・名古屋クランパス戦)を果たしたばかりの金子。これから高みを目指すには、スソの例を教訓に複数の攻撃パターンを磨く必要がある。

今季第1節で2得点を挙げて以降、金子にもワンパターンにこだわるプレーが多く見受けられるようになっている。

幸いなことには、利き足とは逆の右足でボールを蹴る際の金子の技術が、左足と同様の正確さがなくても通用している。右サイドから右足でクロスを上げる時、チャンスにしっかり繋がることが多く、このパターンの回数をもっと増やすべきであろう。

もちろん得意の得点パターンも武器として磨き続ける必要がある。ボールを中央に動かしてからシュートまでの時間をよりスピーディに改善できれば、数多くの得点やアシストを生み出せるに違いない。

得意とする形を磨き、攻撃パターンも増やす。そうすれば、金子は海外でも活躍できる選手となるだろう。

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名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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