昨今のサッカーでは、プレイメーカー(試合の流れをコントロールする中心選手、司令塔)の役割が大きく変化しているようにみえる。
以前までは、ミランやユベントスなどで活躍した元イタリア代表MFアンドレア・ピルロのように、センターハーフ気味のポジションを取りながら、前線に適切なロングパスを送り出す選手が多く見られた。最近はそのような選手が非常に少なくなったと思いませんか?
おそらく、その変化の理由は現代サッカーの戦術にあると思われる。高い位置でプレスをかけるチームが増え、プレスでボールを奪って相手守備が整う前にフィニッシュまで行くシーンが多くなった。そのため、守備ラインが非常に高いセンターラインあたりに上がっていて、中盤の選手がプレーするエリアが狭くなった感じがする。
しかし、プレイメーカーという役割がなくなったわけではない。現代サッカーにフィットさせるため、今では前線の選手がその役割を担うケースがたくさん見られる。
今回は、その大事な役割を持つ3人の選手を紹介したい。いずれもかつてのプレイメーカーのイメージとは異なりながら、それぞれチームの要となっている。
ゲームメイクも託されるロベルト・フィルミーノ
1人目はリバプールのFWロベルト・フィルミーノだ。彼の役割、背番号(9番)、またテレビやネット上で公開される予想フォーメーションのポジションは、プレイメーカーのイメージとは異なる。しかし、実際の試合を観戦すると、立派なレジスタ(ゲームメイクをする特徴のある選手)であることがわかる。
ユルゲン・クロップ監督がフィルミーノをセンターフォワードとして起用しているのは、あくまでも守備的な判断だと思われる。彼の前線のプレスは相手チームがボールを持ってビルドアップしようとする時に重要であるからだ。
一方、リバプールがボールを奪って体勢を整える必要がある時は、彼が一旦下がって、ウィングやハーフウィングのプレー(特にジョルジニオ・ワイナルドゥム)を支えるようになる。
この動きをするフォワード選手はたくさんいるが、他の選手にないフィルミーノの特徴は、ゲームビジョンとパス力だ。そのために彼はリバプールにとって欠かせない存在となった。
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