フルコートで活躍するロレンツォ・ペッレグリーニ
2人目は、ローマのMFロレンツォ・ペッレグリーニ。今シーズン16試合にしか出場していないにもかかわらず、すでに8アシストを記録している。パウロ・フォンセカ監督の元で自分のプレーに絶対的な自信を持つことができ、23歳という若さでローマのキープレイヤーとなった。
ペッレグリーニは前線の選手としても大事な役割を果たしながら(センターフォワードのエディン・ジェコのすぐ後ろでプレー)ビルドアップの時には守備ラインまで下がってゲームメイクをする。
ペッレグリーニの1番の武器は判断力だ。フルコートでプレーしているにもかかわらず、彼には相手チームの誰かがマークにつくことが多いのだが、次に何をすればいいのかをボールを受ける前にすでに理解している。また、適切なパスを出すコースがない場合、絶対にボールを失わないキープ力も備えている。
スピーディなカットを見逃さないジェームズ・マディソン
3人目の新型プレイメーカーは、レスター・シティのMFジェームズ・マディソンである。彼はバルセロナのリオネル・メッシのように割合フリーに動くことが多い。しかしメッシと違って、レスターがボールを支配していない時はインテンシティーのあるプレスも左サイドのカバーも任されている。
レスターのシステムでマディソンは、ワントップのジェイミー・バーディを支えるためにセカンドストライカー気味のポジションをとることもあるが、ゲームメイクするときが1番輝いている瞬間だと思われる。
特にバーディによるスピーディーなカット、そしてディフェンスの裏を狙うジュリアン・バーンズとアジョセ・ペレスの動きを全く見逃さないマディソンのゲームビジョンは、評価するべきポイントだ。
新型プレイメーカーに必須の条件はスタミナと判断力
かつてのプレイメーカーのイメージは、センターラインあたりから適切なパスを出す、そしてセンターハーフ気味のポジションで守備をすることだった。そのポジションをカバーしていた選手は、レベルの高いパス力とゲームビジョンさえあれば活躍できた。
現代のサッカーではそれだけでゲームメイクはできない。高い位置で激しくプレスをかけること、またはバスケットボールのように90分守備も攻撃も任せられることが多くなっているため、スタミナ、そしてボールを受ける前から次の一手を常に予測する判断力が必要となってきた。
様々な監督が、多様で不思議なアイディアでプレイメーカーのポジションを進化させている。そして、最近では今までの定義には当てはまらないタイプの選手がぽつぽつと現れてきている。
サッカーが変わっていくことを目の当たりにするのはとても楽しいことだ。
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