プレミアリーグ アーセナル

過小評価される運命?アーセナルの身近なヒーロー、イアン・ライト

現役時代のイアン・ライト 写真提供:Getty Images

 彼の後すぐにアーセナルに別の象徴的なフォワードがやって来たのも、彼にとってはやや不幸だった。ライトほどサポーターに愛されたストライカーは多くないが、ティエリー・アンリは間違いなくそのうちの一人だ。そしてアンリは、ライトのクラブ得点記録をすぐに塗り替えてしまった(もちろん、ライトがもっと早くアーセナルに来ていればその記録はもっと伸びていたはずだ)。

 ライトが手にできなかったものは他にもたくさんあるが、ひとつ間違いがないのは彼の点取り屋としてのクオリティだ。ユーチューブに『ボーン・トゥ・フィニッシュ』という彼の多彩なスキルを集めたコンピレーション動画がある。左右両足ともに威力があり、ペナルティエリア内で狭いスペースを見つけ、一瞬で相手選手を置き去りにする…。最近の選手で彼のスタイルと驚異的な得点能力に近いのは、同じく遅咲きだったダビド・ビジャだろう。

 どうしてイアン・ライトが長い間注目を集めなかったのかは、謎のままだ。ドキュメンタリー映画『ロッキー・アンド・ライティ:フロム・ブロックリー・トゥ・ザ・ビッグ・タイム(原題)』で、ライトは子供時代からの友人でありアーセナルでも1シーズン一緒にプレーしたデイビッド・ロキャッスルが、明らかな才能が無視されていると言って彼を慰めた時のことを回想している。「彼らはミスを犯した」とロキャッスルは言ったという。同じドキュメンタリーの中で、クリスタル・パレスのスティーブ・コッペルは同様に多くのクラブが彼の獲得を見送ったことに驚きを示している。ワールドクラスの才能がノンリーグに埋もれていることなど、そうそうない。地元の質屋でセザンヌの絵画を見かけたら、本物だとは思わないだろう。

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