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エドガー・ダービッツのピッチ上で猛威を振るう類まれなるオーラ

 

エドガー・ダービッツとの出会い

 エドガー・ダービッツは私が唯一公衆の中で2度見かけた選手だ。1度目は90年代の中ごろに、彼がアムステルダムの街中を歩いているところを見かけた。彼の彼女は軒を連ねる店に通りかかるたびにウィンドウを凝視していた。彼女が止まるたびにダービッツは先に歩いて行ってしまうので、ガールフレンドは小走りで彼に追いつかなければならなかった。この光景は彼らが視界から見えなくなるまで続いた。

 2度目はその数年後、ダービッツがミランからユベントスに移籍した後で、それはノッティング・ヒル・カーニバルでのことだった。彼のガールフレンドは『VOGUE(ヴォーグ)』から飛び出してきたような(たぶん本当にそうなのだろう)人物で、ダービッツは海賊放送を届けるような汚れのないトラックスーツを着て、肩をギラギラと光らせていた。

 2度とも、ピッチ上で存分に存在感を発揮する彼は、私が思っていたよりも身長が低かった。彼は自分のスピードで終始ピッチを駆け回り、焦らず、自信を感じさせ、そして軽蔑的だった。

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