代表チーム イングランド代表

マドリードの「シックスマン」。過小評価されたマクマナマンの実像

著者:ムサ・オクウォンガ(翻訳者:土屋一平)

 スティーブ・マクマナマンのキャリアをフットボールのみで語るのは難しい。それゆえにバスケットボールが助けてくれる。もしもマクマナマンがNBAの選手だったら、彼は優秀な「シックスマン」だっただろう。ベンチからダイナミズムをチームに持ち込むだけでなく、決定的な仕事もやってのける。しかし彼はプレーメイカーでもあり、その能力により、リーダーでもあるのだ。

 サー・アレックス・ファーガソンに彼を止めるための戦術を作らせるほど、影響力の大きかったリバプールから移籍したレアル・マドリードで、マクマナマンはこの役割を担った。プレミアリーグでスーパースターだったマクマナマンはベルナベウで2番手に甘んじる謙虚さを見せたが、冷笑家は彼がオファーされた相当な額の契約金が少なからず影響していたことを指摘するだろう。

 彼は自分の価値を最大限利用するにはあまりにも賢明ではなかったが、勝つことを最優先にしている選手だったし、マクマナマンはリバプールにおいて、彼の才能に相応しいトロフィーを大いに欠いていた。だから彼は議論の余地のある契約破棄を行い、ボスマンルールを利用してスペインに飛んだ。そして恐ろしいほど偉大な選手たちの中に、自分の名前を加えることを願った。

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