Jリーグ ガンバ大阪

最悪のスタートを切ったガンバ大阪。レビー・クルピは巻き返すことができるのか

遠藤保仁 写真提供:Getty Images

 少なくともクルピ監督にはもう少し時間が必要だ。とにかく、プレシーズンに契約した9選手中7選手がそうであったように、クラブは若い選手を育てるという長期的な計画にかけた。さらに、最後の外国人枠を埋める補強として、ブラジルから選手を獲得した。サントスからレンタル移籍でやってきた、20歳のマテウス・ジェズスはディフェンシブミッドフィールダーのポジションに、クオリティをもたらすだろう。しかし彼には、ピッチ外で問題を起こしてきた過去がある。ブラジル人の監督は、彼を試合だけに集中させられるだろうか。

 ガンバにとって優しい日程でないことは確かだ。クルピは名古屋グランパスとの2-3の惜敗でデビュー。そのあと、ルヴァン杯のサンフレッチェ広島との試合を間に挟んで、昨シーズンの2位と1位のクラブと対戦した。次の試合はミッドウィークに、ルヴァン杯で浦和レッズと対戦する。J1リーグの次の対戦相手は強敵柏レイソルだ。

 ガンバは「強豪」と張り合うことができずにいるし、試合ごとにパフォーマンスレベルも落ちている。クルピ監督は就任当初攻撃的なスタイルを約束したものの、現在のチームはクルピ自身が使った言葉で言えば「攻撃も守備もできない」状態だ。彼は川崎との試合で3人の異なったセンターフォワードの選手を起用した。長沢駿は前半のみプレーし、アデミウソンは46分から57分まで、そしてファン・ウィジョは58分から試合終了までプレーした。しかしこの3人のうち、誰も枠内シュートを放っていない。マッチレポートによれば、ガンバのシュートは3本のみにとどまり、唯一の枠内シュートは泉澤仁のミスパスがシュートとしてカウントされたものだった。この試合で「9番」のポジションとして先発した長沢は、開幕から3試合で1本しかシュートを放っていない。

 深刻な状況の中、唯一の望みは17歳の高校生へ向けられている。中村敬斗は違いを生み出せる選手だ。彼は試合を変えるだけの能力を持っているが、彼はまだ、プロとして最初のステップに足をかけたばかりだ。ここ最近の試合で輝きを放ったが、初先発となった川崎戦では目立つことができなかった。

 ほとんど毎年、Jリーグの伝統的なクラブが残留争いに巻き込まれている。そして3試合しか終わっていないとは言え、ガンバ大阪が横浜F・マリノスとFC東京とともに、降格圏に沈んでいる現状は驚きだ。クルピ監督は特に攻撃面で、早く解決策を見つけなければいけない。2012年の悪夢の二の舞にならないように。

著者:チアゴ・ボンテンポ

1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。

Twitter: @GunnerTNB

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