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浦和のクロス28本を無効化したFC東京の守備ブロックをスタッツから分析

著者:マリオ・カワタ

 24日に行われたFC東京と浦和のJ1開幕戦は、1-1の引き分けに終わった。攻撃では物足りなさの残ったFC東京だが、守備においてはコンパクトなブロックを形成しボール支配率で上回った浦和を封じることに成功した。CKからの失点は悔やまれるが、逆に言えばセットプレーでしかゴールを与えなかったのも事実である。試合後に「組織を崩さずに対応できた」と語った長谷川健太新監督の下でFC東京が浦和の攻撃をどのように封じたのか、Wyscoutによる試合のデータから見てみよう。

 まず試合全体の流れとしては、FC東京のボール支配時間が前半は13分間、後半は14分間なのに対し、浦和はそれぞれ20分間、21分間と常にアウェイチームが上回った。しかしFC東京は常にコンパクトさを保ち、時にはゴール前に5人、6人の選手が密集する強固な守備ブロックを形成することで、浦和をゴールに近づけるシーンは少なかった。長谷川監督が「守備の面では前半の興梠のシュート以外はしっかりと対応していた」と満足感を漂わせるのも、そのためだ。この守備意識の高さは、ディフェンスと中盤がフィールドの4分の1に収まるチーム全体の平均ポジションからも見ることができる。

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