
フラム(評価:B)
リーグ11位
フラムはリーグ戦最後の15試合でわずか5勝に終わり、終盤戦で大きく失速した。プレミアリーグ中位に定着することには成功したが、混戦を抜け出し、より上位を狙える状況にあっただけに、この失速は非常に悔やまれる。
一方で、マルコ・シルバ監督がクラブを現在の安定した立ち位置へと導いた功績は、高く評価されるべきだろう。今夏で契約満了を迎える同監督の去就は不透明だが、仮に退任となった場合でも、チームの基盤そのものは依然として良好な状態にある。そのためフラムにとって重要なのは、有能な後任監督を確保するとともに、夏の移籍市場で的確な補強と戦力維持を実現することだ。
今シーズンのクラブ年間最優秀選手に選ばれたMFハリー・ウィルソンもフリーエージェントとなる見込みであり、その去就が注目を集めている。現在のフラムは、プレミアリーグの中堅クラブとして十分な競争力を備えている。しかし、シーズンを通して安定的に上位争いを続けるだけの地力や選手層はまだ発展途上だ。だからこそ、この夏に下される数々の決断は、クラブの今後を大きく左右することになるだろう。
クリスタル・パレス(評価:B)
リーグ15位
クリスタル・パレスはUEFAカンファレンスリーグ決勝で、スペインのラージョ・バジェカーノを下し、クラブ史に残る欧州タイトルを獲得した。この快挙によって評価を引き上げる余地もあるが、一方で、すでに退任することが決定しているオリバー・グラスナー監督による試合中や会見での感情的な振る舞いや、新年を挟んで続いた11試合連続未勝利という深刻な低迷を無視することはできない。
そのような中でパレスは、過酷な国内リーグ戦とヨーロッパの大会を並行して戦うという過酷なシーズンを、比較的うまく乗り切ったと言える。特に昨夏に攻撃の中心だったMFエベレチ・エゼ、さらに1月には守備の要DFマルク・グエヒを相次いで放出したことを踏まえれば、その健闘ぶりは評価に値する。
また、FAカップ王者として臨んだコミュニティ・シールドでは、ウェンブリー・スタジアムでリーグ王者のリバプールを撃破し最高の形でシーズンをスタートさせた。浮き沈みの激しい一年ではあったものの、総じて記憶に残る印象的なシーズンだったと言えるだろう。
ニューカッスル・ユナイテッド(評価:C)
リーグ12位
ニューカッスル・ユナイテッドの今シーズンを評価するのは非常に難しい。「C」という評価ですら甘すぎると感じるファンも少なくないだろう。カップ戦に目を向ければ、一定の評価に値する成果を残した。カラバオカップでは準決勝まで進出、チャンピオンズリーグではクラブ史上初となる決勝トーナメントまで勝ち進み、欧州の舞台でも存在感を示した。
しかし、その一方で課題も浮上している。バルセロナやマンチェスター・シティといった強豪相手には力の差を見せつけられ、特にチャンピオンズリーグ決勝トーナメントでバルセロナ相手に敵地カンプ・ノウで喫した7-2の大敗は、クラブにとって大きな屈辱となった。
そして、より深刻だったのはリーグ戦での低迷である。ニューカッスルはプレミアリーグで17敗を喫し、チャンピオンズリーグに出場するクラブとしては信じ難い不振に陥った。その結果、最終順位はボトムハーフにとどまった。なかでも、チャンピオンシップから昇格してきた宿敵サンダーランドとの“タイン・ウェア・ダービー”で一度も勝利を挙げられなかったことは、サポーターにとって受け入れ難い結果だっただろう。
カップ戦では一定の成果を残したものの、リーグ戦での失敗があまりにも大きく、エディ・ハウ監督の戦術面にも疑問符が付く苦しいシーズンとなってしまった。
エバートン(評価:C)
リーグ13位
昨シーズン途中に劇的な形で復帰したデイビッド・モイーズ監督は、崩壊の危機にあったエバートンを短期間で立て直し、チームに安定感をもたらした。それまで苦手としていたアウェー戦で結果を残せるようになり、特にマンチェスター・ユナイテッド戦やアストン・ビラ戦など敵地での勝利は大きなインパクトを与えた。その成果は選手たちやサポーターに確かな自信を植え付けることにもつながったと言える。
シーズン序盤の見事な好調ぶりでファンの期待は大きく高まり、3月にはホームでチェルシーを3-0で下す快勝を収めるなど、チームの勢いが最高潮に達していることが明確に感じられた。しかし、一時はヨーロッパリーグ出場権獲得も現実味を帯びていただけに、チェルシー戦以降のリーグ戦7試合を未勝利で終えた事実は、不完全燃焼感を拭いきれない。次のステップへと進む絶好のチャンスを逃し続けるなど、シーズン終盤は精彩を欠く結果となってしまった。
ノッティンガム・フォレスト(評価:C)
リーグ16位
ノッティンガム・フォレストの今シーズンは、度重なる監督交代に翻弄された一年だった。チームはヌーノ・エスピリト・サント体制で開幕を迎えたものの、その後アンジュ・ポステコグルー氏、ショーン・ダイチ氏へと指揮官が交代。最終的にはヴィトール・ペレイラ氏がチームを率いることとなり、1シーズンで4人の監督がベンチに座る異例の事態となった。
それでも、ヨーロッパリーグでクラブ史に残る準決勝進出を果たしたことで、シーズン全体の評価は大きく改善されたと言える。この快進撃がなければ、はるかに厳しい評価を下されていた可能性が高い。2月に就任したペレイラ監督の存在がなければ、チームがどうなっていたか想像できない。落ち着いたマネジメントによって混乱していたチームを立て直し、荒れていた雰囲気の改善にも成功。シーズン終盤にかけて一定の安定感をもたらした。
しかし、国内リーグでは最後まで苦戦が続き、一時は降格の危機に直面するなど不安定さを払拭するには至らなかった。欧州での躍進と国内での低迷が同居する波乱に満ちたシーズンだったと言えるだろう。
リバプール(評価:D)
リーグ5位
昨シーズンのプレミアリーグ王者であるリバプールにとって、今シーズンは大きな失望の残る一年となった。夏の移籍市場で積極的な補強を行ったにもかかわらず、チームは前年から勝ち点を24ポイント落とし、最終順位も5位まで後退。タイトル争いに絡むことすらできず、信じ難い転落を経験した。
この不名誉な評価がさらに厳しいものにならなかったのは、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を確保したためである。しかし、獲得した勝ち点はわずか60ポイントにとどまり、内容面でも王者にふさわしいパフォーマンスを継続して見せることはできなかった。
シーズンを通じて攻撃の流動性は影を潜め、昨季の強みだった勢いと自信も失われていた。一貫性を欠く戦いが続いたことで、勝負どころでの精神的な脆さも露呈。ディフェンディングチャンピオンとしては極めて不本意な悪夢のシーズンであった。

チェルシー(評価:E)
リーグ10位
今シーズンのチェルシーに対する評価は、大きな期待を裏切る結果に終わった。夏の移籍市場では、FWリアム・デラップ、FWアレハンドロ・ガルナチョ、MFジェイミー・ギッテンスらの獲得に総額1億ポンド(約214億3,900万円)を超える資金を投じたものの期待された成果は得られず、戦力強化は十分に実を結ばなかった。
さらに、新年早々にエンツォ・マレスカ監督が退任したことも大きな痛手となった。後任として招聘されたリアム・ロシニアー体制でも状況は改善せず、最終的には昨夏にU-21チームの監督へ就任したばかりのカラム・マクファーレン氏がトップチームの暫定監督を2度も務める事態に発展し、クラブ運営の混乱ぶりを象徴するシーズンとなった。
チャンピオンズリーグ出場権獲得を目標に掲げていたものの、3月から5月にかけてリーグ戦で6連敗を喫したことで、その望みは大きく後退した。最終節ではFWジョアン・ペドロが終盤に見事なゴールを決めたが、それがなければクラブ史上初となる「6連敗・無得点」という不名誉な記録を残していた可能性もあっただろう。
また、主力のMFエンツォ・フェルナンデスやDFマルク・ククレジャがクラブ首脳陣の方針に公然と異議を唱えるなど、ピッチ外でも不協和音が目立った。一部サポーターによる抗議活動も発生し、クラブを取り巻く雰囲気は悪化。FAカップ決勝ではマンチェスター・シティに敗れ、リーグ戦も10位で終了するなど、期待を大きく下回る結果に終わった。
豊富な資金と戦力を擁しながら、それを結果へ結びつけることができなかったチェルシーにとって、今シーズンはクラブ全体の方向性が問われる厳しい一年だったと言えるだろう。

トッテナム・ホットスパー(評価:E)
リーグ17位
トッテナムのシーズン初戦は、ヨーロッパリーグ王者として臨んだUEFAスーパーカップから始まった。チャンピオンズリーグ王者パリ・サンジェルマンとの一戦は、トーマス・フランク監督の初陣でもあった。チームは2-0とリードしながらも終盤に崩れ、逆転負けを喫するという不穏な船出となったものの、内容自体は一定の希望を見出せるものだった。当時、このチームがシーズン最終節まで残留争いに巻き込まれると予想した者はほとんどいなかっただろう。
しかし、その後も悪夢のような展開が重なる。アーセナルやチェルシー、フラムといったライバルクラブ相手に痛恨の敗戦を重ね、ロッカールームの雰囲気も悪化。サポーターとの関係にも亀裂が生じ、シーズン中には3度の監督交代が行われるなど混乱が続いた。
3月から4月にかけての時点では、プレミアリーグ全20クラブの中でも最低評価に値すると言っても過言ではなかった。しかし、土壇場で就任したロベルト・デ・ゼルビ監督がチームを立て直し、最終節で残留を決定。降格というクラブ史に残る屈辱だけは回避することに成功した。
最悪の結末こそ免れたものの、シーズン全体を振り返れば大きな失敗だったと言わざるを得ない。フロント、スタッフ、そして選手たちは、この苦い経験から多くを学ぶ必要があるだろう。
ウェストハム・ユナイテッド(評価:E)
リーグ18位
ウェストハム・ユナイテッドが降格に至った要因は、ピッチ上でのリーダーシップ不足、シーズンを通じて続いたパフォーマンスの不安定さ、そしてヌーノ・エスピリト・サント監督の硬直的な戦術運用にあった。チームは最後まで立て直しのきっかけを見出せず、降格という結末を迎える。
2011年以来となるチャンピオンシップでのプレーが決定したウェストハムは、わずか2年間で4人目となる新監督の選定に迫られており、クラブは深刻な混乱の中にある。
歯車が狂い始めたのは開幕戦のサンダーランド戦だった。その後も苦戦が続き、8月のチェルシー戦ではホームで1-5の大敗を喫し、試合中には一部サポーターがピッチへの侵入を試みる騒動も発生。クラブを取り巻く不満の大きさを象徴する出来事となった。
また、1月に敵地で行われたウルブス戦での完敗(0-3)をはじめ、チームが機能不全に陥る試合はシーズンを通じて繰り返された。ウェストハムにとって今シーズンは混乱と失望に満ちた一年だったと言わざるを得ない。
バーンリー(評価:E)
リーグ19位
バーンリーは、わずか勝ち点24で降格した2023/24シーズンの苦い経験を踏まえ、今季はこれまでとは異なるアプローチでプレミアリーグに挑んだ。よりバランスを重視した補強を進めるとともに、スコット・パーカー監督の下で現実的かつ堅実な戦い方へと舵を切り、より手強いチームに生まれ変わろうとしていた。
序盤こそ一定の可能性を感じさせたものの、10月のウルブズ戦で3-2の勝利を収めて以降、チームは急激に失速。残り29試合でわずか1勝しか挙げられず、長期にわたる低迷から抜け出せなかった。
シーズンが進むにつれて根本的な戦力不足が明らかとなり、パーカー監督の戦術も十分な成果を生み出せず、チームは降格圏に沈んだまま浮上のきっかけを掴めなかった。最終的にパーカー監督は降格確定後に解任されることとなり、クラブの再建は来季へ持ち越されることとなった。
最終節では、すでに降格が決まっていたウルブスをホームに迎えながら勝利を挙げることができず、その結果、バーンリーは2023/24シーズンの勝ち点24をも下回る22ポイントでシーズンを終了。不名誉な記録とともにチャンピオンシップへ降格することとなった。
ウルバーハンプトン・ワンダラーズ(評価:E)
リーグ20位
ウルバーハンプトン・ワンダラーズ(ウルブス)にとって、今シーズンはクラブ史に残る失望の一年となった。結果だけでなく、その過程も含めて評価するならば、擁護の余地を見つけることは極めて難しい。
問題は昨夏の移籍市場から始まっていた。補強は期待された成果を挙げられず、シーズン中には監督交代も実施されたが状況は改善されなかった。新監督就任後もサポーターの不満は収まらず、クラブ全体が混乱から抜け出せないままシーズンを過ごすこととなった。
補強、監督人事、チームパフォーマンスのいずれも期待を大きく下回り、クラブとしての方向性すら見失ったウルブス。サポーターにとって、長く苦しい10か月間だったことは明白だ。
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