ワールドカップ 日本代表

2000年代生まれが主役に。日本代表2030年W杯メンバー大予想

佐野海舟 写真:アフロスポーツ

MF(10人):鎌田・堂安世代が去っても次世代が続々台頭

日本サッカーの生命線となる中盤。このポジションは北中米W杯でピークを迎えた選手が多く、次回大会では大幅な入れ替えが予想される。守備力や創造性・多機能性を兼ね備えた若手選手を中心に選出した。

佐野海舟(2000年12月30日生まれ/マインツ)

米子北高校から町田、鹿島を経て2024年にブンデスリーガのマインツへ移籍したボランチ。すぐに欧州に適応し主力としてプレーし、北中米W杯に臨む森保ジャパンでもボランチの軸を担う存在だ。広い守備範囲とボール奪取能力に加え、シンプルかつ正確な配球で攻撃の起点を作れる点が強みだ。戦術理解度の高さと試合の流れを読む力にも長けている。欧州で安定した出場を継続しさらなるステップアップができれば、2030年大会でも中盤の中核を担うだろう。

佐野航大(2003年9月25日生まれ/NECナイメヘン)

兄・海舟と同じ米子北高校出身だが4歳違いのため、同じチームではプレーしていない。2022年からファジアーノ岡山でプレーし、2023年8月にオランダ1部のNECナイメヘンへ完全移籍。兄と比べるとやや攻撃的な選手で、NECでレギュラーに定着し攻守両面で安定したパフォーマンスを見せており、ステップアップ移籍も囁かれている。複数ポジションに対応できる柔軟性に加え、推進力のあるプレーと高い技術力が持ち味。局面を打開するドリブルとパスセンスも評価が高い。欧州での経験を積み重ねることで、2030年大会では兄と共に日本代表中盤の主力候補として存在感を高めていくことが期待される。

藤田譲瑠チマ(2002年2月16日生まれ/ザンクトパウリ)

東京ヴェルディ下部組織出身のボランチで、徳島、横浜F・マリノスを経て2023年7月にシント=トロイデンVVへ移籍。2025年7月にブンデスリーガのザンクトパウリへステップアップした。パリ五輪ではU-23日本代表の主将としてチームを牽引し、攻守両面で高い貢献度を示した。豊富な運動量と球際の強さ、安定した配球力に加え、縦方向への展開力も兼ね備える。ブンデスリーガでの経験によりプレーの幅も広がっており、ザンクトパウリではインサイドハーフの位置でプレーすることもある。北中米W杯出場はならなかったが、新チームのA代表では主力定着が視野に入る。2030年大会に向けては中盤のバランサーとして重要な役割が期待される。

大関友翔(2005年2月6日生まれ/川崎フロンターレ)

川崎フロンターレU-18では10番として司令塔を担い、2023年にトップ昇格。出場機会を求めて2024シーズンは福島に育成型期限付き移籍し、J3ベストイレブンに選出され、チームのJ2昇格プレーオフ進出に貢献した。2025シーズンに川崎に復帰するとACLエリート準優勝に大きく貢献。U-23日本代表では背番号10を任されるなど高い評価を受ける攻撃的MFだ。AFC U23アジアカップなど国際舞台でも結果を残し、創造性あふれるプレーで攻撃を牽引する存在。視野の広さとパスセンスに加え、自ら得点に絡む能力も備える。フィジカル強化が課題だが、代表の攻撃を担う中心選手への成長が見込まれる。

佐藤龍之介(2006年10月16日生まれ/FC東京)

FC東京の下部組織出身で、2023年3月8日、16歳4か月20日でスタメン出場し久保建英が持っていたFC東京のクラブ最年少出場記録を更新した早熟のアタッカー。2025年に初のJ1を戦うファジアーノ岡山へ育成型期限付き移籍し大ブレーク。技術力と判断力に加えフィジカル面でも成長を見せており、攻撃の起点として機能できる点が評価されている。すでにA代表招集歴もあり、今後の成長次第では中盤の中核を担う可能性もある。FC東京復帰後も中心メンバーとして活躍しており、欧州移籍も視野に入る。

鈴木唯人(2001年10月25日生まれ/フライブルク)

市立船橋高校から清水エスパルスに入り、2023年にフランスのストラスブールへ期限付き移籍し欧州進出を果たしたものの買い取りオプションが行使されることなく、J2に降格していた清水に一度戻り、その後デンマークのブレンビーに完全移籍するという慌ただしい経験をしたアタッカー。2025/26シーズンにはブンデスリーガのフライブルクへ移籍しトップ下としてレギュラーポジションを奪取。着実にステップアップを遂げてきた。局面を打開するドリブルが武器だが、欧州で揉まれたことでシュートやパス技術も向上し、両足を使える柔軟性も強みだ。北中米W杯でも活躍が期待されており、2030年大会では攻撃陣の主軸を担う存在となる可能性が高い。

松木玖生(2003年4月30日生まれ/サウサンプトン)

2021年、青森山田高校のエースとして高校3冠(インターハイ、高円宮杯U-18プレミアリーグ、全国高校サッカー選手権)を達成し、2022年にFC東京入り。2024年にプレミアリーグのサウサンプトンへ完全移籍した上でトルコのギョズテペに期限付き移籍。2024/25シーズンでは公式戦34試合で6ゴール5アシストと結果を残し、2025/26シーズン途中にEFLチャンピオンシップ(2部)に降格していたサウサンプトンに復帰。プレミア復帰を目指すチームの中で攻撃的MFとして重要な役割を果たしていたが、昇格プレーオフ決勝を目前にクラブが前代未聞の”スパイ騒動”によって追放処分を科されてしまった。それでもプレー強度の高さとフィジカルの強さ、左足のキック精度は彼の武器だ。ボール奪取能力と得点力を兼ね備え、攻守両面でチームに貢献できる存在。トルコとイングランド2部という特徴を異にするリーグでの経験を経て戦術理解も向上しており、プレーの幅は着実に広がっている。今後さらなる成長を遂げれば、代表の中盤を支える重要な戦力となり得る。

宇野禅斗(2003年11月20日生まれ/清水エスパルス)

フォルテ福島でサッカーを始め、青森山田中学に進学。青森山田高校では松木のチームメイトとして3冠獲得に貢献。2022年に町田ゼルビアに入団し、2023シーズンにはJ2リーグで18試合3得点を記録しJ1昇格の原動力となった。2024シーズン途中に当時J2の清水に育成型期限付き移籍し、移籍初戦でいきなり得点して主力に定着、またもJ1昇格に貢献した。守備の読みとポジショニングに優れ、ボール奪取から攻撃への切り替えが強みのボランチ。清水では史上最年少で主将に任命された。2025年にはA代表に初選出され、松木に先駆けてE-1選手権でA代表デビューを果たした。清水の中心選手として経験を重ねており、代表でもボランチの有力な選択肢となる可能性がある。

北野颯太(2004年8月13日生まれ/レッドブル・ザルツブルク)

アルマフットサルクラブでサッカーを始め、アルテリーヴォ和歌山の下部組織、C大阪U-15・U-18を経て高校1年時の2020シーズンに2種選手登録されJ3デビューを果たし、2022年にプロ契約。若くしてJリーグで頭角を現しルヴァン杯ニューヒーロー賞を受賞した。スピードとテクニックを生かしたドリブル突破に優れ、ゴールに直結するプレーで違いを生み出せる攻撃的アタッカー。2025年6月にオーストリアのレッドブル・ザルツブルクへ完全移籍。コンスタントにプレー機会を増やしフィジカル面や判断力の向上が期待される段階にある。継続して結果を残しさらにステップアップ移籍を果たせば、代表の攻撃陣に新たな選択肢をもたらす存在となり得る。

嶋本悠大(2006年10月26日生まれ/清水エスパルス)

強豪街クラブ・ブレイズ熊本から熊本県立大津高校に進学し、主将として高円宮杯U-18プレミアリーグ優勝に貢献。高校時代はボランチだったが、2025年に清水エスパルスに入団するとプロ1年目から出場機会を得て攻撃的MFとして着実に経験を積んでいる。180センチの体格を生かしたフィジカルとボール保持力に加え、展開力のあるパスで攻撃の起点となるプレーが特徴。世代別代表にも飛び級で招集されるなど将来性の高さが評価されている。今後の成長と欧州挑戦の成否が、代表定着への重要な要素となる。


細谷真大 写真:アフロスポーツ

FW(5人):“ポスト上田綺世”を巡る争い

多様な攻撃オプションを想定。オランダ1部エールディビジの2025/26シーズン得点王に輝き、森保ジャパンでもエースとして定着したフェイエノールト所属の上田綺世に代わる選手を、スピード・フィジカル・得点力の視点で選出した。

塩貝健人(2005年3月26日生まれ/ヴォルフスブルク)

街クラブのバディSC江東から横浜FCジュニアユースを経て國學院大學久我山高校では全国高校サッカー選手権に出場し、優秀選手に選出。すでに慶應義塾大学法学部政治学科に合格していたことで進学。2024年、大学1年生ながら横浜F・マリノスへの加入内定および特別指定選手に認定され、同年4月のG大阪戦でJデビュー。3日後の湘南戦ではスタメンに名を連ねJ初得点を記録した。2024年8月にオランダのNECナイメヘンへ移籍し短期間で評価を高め、2026年1月にはブンデスリーガのヴォルフスブルクへ推定950万ユーロ(約17億5,500万円)でステップアップ移籍を果たした。日本人離れのスピードを生かしたプレーで存在感を示しており、裏への抜け出しとゴール前での決定力に優れ得点源としての期待が高い。北中米W杯メンバーにも選出され国際舞台での経験も積んだことで、2030年大会ではエースとなっている可能性もある。

後藤啓介(2005年6月3日生まれ/シント=トロイデンVV)

カワイ体育教室SCからジュビロ磐田U-15・U-18で育成された大型FW。2023年シーズン、ユース所属のままJ2開幕戦でJ初出場初得点(2得点)を挙げ、同シーズン33試合7得点を記録しJ1昇格に貢献。それを置き土産に2023年11月、ベルギーのアンデルレヒトへ期限付き移籍し翌2024年に完全移籍。現在はシント=トロイデンVVに期限付き移籍中でチームのプレーオフ1進出に貢献した。191センチの体格を生かしたポストプレーと空中戦の強さに加え、ゴール前での決定力も兼ね備える。磐田の下部組織時代には「どこでも起用できる万能型選手になる」ことを目標にボランチやCBでもプレーしたという。すでにA代表デビューも果たし北中米W杯メンバー入りも決めており、足元の技術や連携面の向上が進めば”ポスト上田綺世”に最も近い存在と言えそうだ。

細谷真大(2001年9月7日生まれ/柏レイソル)

茨城県牛久市出身ながら小学生時代から柏レイソルの下部組織で育成されたストライカーで、ユース所属のままJリーグデビューで結果を残した。2024年パリ五輪ではU-23日本代表のエースとして活躍した実績を持つ。スピードを生かした裏抜けと高い決定力に加え、前線からの守備意識の高さも兼ね備えている。W杯アジア予選やアジア杯、E-1選手権ではA代表にも招集され、柏でも安定したパフォーマンスを継続している。次回大会では攻撃の軸として計算できる存在であり、さらなる成長に加え欧州移籍が実現すれば代表のエースとなれるポテンシャルがある。

久保建英(2001年6月4日生まれ/レアル・ソシエダ)

スペインの地でキャリアを積み重ねてきた日本を代表するタレントで、この頃には日本サッカー界の顔となっているだろう。レアル・ソシエダとの契約は2029年夏までだが、複数の欧州ビッグクラブからの関心が報じられており、2030年大会時点ではラ・リーガ上位クラブで主力としてプレーしている可能性もある。ドリブル、パス、シュートのいずれも高水準の技術を誇り、視野の広さと創造性に優れ試合の流れを変えるプレーが最大の武器。国際大会での経験も豊富で、チームに与える影響力は大きい。2030年大会においても日本代表の攻撃を牽引する中心的存在となることが期待される。

福田師王(2004年4月8日生まれ/カールスルーエ)

鹿児島県の神村学園高校時代に全国高校サッカー選手権で優秀選手と得点王に輝くなど高校屈指のストライカーとして注目を集めた。Jリーグを経由せずドイツ・ブンデスリーガのボルシアMGと契約し、Bチームでの活躍を経てトップ昇格。2025年夏に出場機会を求めてドイツ2部のカールスルーエへ買い取りオプション付きの期限付き移籍。徐々に出場時間を増やしリーグ戦終盤にはスタメンの座を奪った。178センチながら抜群の跳躍力とヘディングの強さ、裏への鋭い抜け出しと得点感覚が武器の典型的な点取り屋だ。ドイツで揉まれフィジカル強化が進み、A代表招集も時間の問題だろう。決定力と空中戦の強さをさらに磨けば、2030年大会で”ポスト上田綺世”争いの有力候補として台頭する可能性を秘めている。


4年後の日本代表はどうなっているか

この26人は2026年W杯経験組と新世代が融合した布陣となり、欧州での継続的な活躍が鍵を握る。特に中盤の流動性と攻撃陣の多様性が日本の強みを発揮するだろう。ただしケガや激しいポジション争いで顔ぶれは大きく変わる可能性がある。

今回の北中米W杯メンバーでも、MF三笘薫、MF南野拓実の負傷による落選、長らく代表チームを支えてきたMF守田英正の落選、一方で賛否両論を呼んでいるDF長友佑都の5度目のメンバー入りなど不確定要素が多いのも事実だ。また今回、日本代表史上初めて直近のパリ五輪出場選手が1人もW杯メンバーに入らなかった。選考のハードルが上がった証左とも言えるが、それだけ競争が激しくなっているということでもある。Jリーグの育成力と海外挑戦の好循環が、2030年大会での選手層の厚さを左右するだろう。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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