
日本代表FW原大智は2026年1月、京都サンガからザンクトパウリへ完全移籍も、チームメイトのMF藤田譲瑠チマやDF安藤智哉とは対照的に出場機会が限定。現地では「不可解な移籍」と断じられ、直近9試合で8試合が出場ゼロという惨状の裏側が明らかとなった。
ドイツ紙『ビルト』が4月30日に報じた内容は衝撃的だ。「ベンチが定位置」——そう見出しに刻まれた原の現状は、数字が如実に物語る。直近9試合のうちバイエルン戦(0-5)でわずか2分出場したのみ。京都サンガ時代にリーグ戦84試合で20得点・16アシストを叩き出し、2025年夏には日本代表デビューも果たした男が、なぜブンデスリーガの残留争いの渦中でここまで存在感を消しているのか。
さらに問題なのは、移籍の経緯そのものだ。
『ビルト』によれば、冬の補強でザンクトパウリが第一候補に挙げていたのは、前季にレンタルで6得点2アシストを記録したモルガン・ギラヴォギだった。ブンデスリーガでの実力を証明済みのストライカーを、クラブは本気で求めていた。だが、所属元のランスが彼を500万ユーロでMLS所属クラブへ売却。他の移籍交渉も相次いで頓挫し、「最終的に獲得したのが原大智だった」と同紙は報じている。
要するに、第一候補でも対抗馬でもない。「消去法の末」の獲得だったという構図だ。
それでもクラブ内では原への期待感があったのも事実である。アレクサンダー・ブレッシン監督は当初、「彼がスペースに入ると一気に暗くなる」と191cmの体格を高評価。fotmobのデータでも空中戦勝利率や守備アクションの強度が示されており、チーム最多得点者アンドレアス・フントンジの長期離脱が確定的だった時期だけに、即戦力として位置づけられていた。記事では「ザンクトパウリがこの日本人選手に過度な期待を抱いていた」と綴られている。
だが現実は違った。ハイデンハイム戦(0-2)で残り30分、監督が選んだのは原ではなく、途中出場24試合で無得点のアブドゥリエ・セーサイだった。ブレッシン監督は「フィジカルの強さが求められる試合で、セーサイはすべてのボールに体をぶつけていく。その点で原より優先された」と明言。婉曲表現を一切使わない、事実上の「強度不足」宣告だ。
同じく1月にアビスパ福岡から加入した日本代表DF安藤智哉がすでに12試合出場でレギュラーを掴んでいる現実と並べると、原の置かれた状況の厳しさはより際立つ。『ビルト』は「ここまでのところ失敗と言わざるを得ない」と冷静に断じた。消去法で獲得し、過度な期待をかけ、起用しない——このチグハグな意思決定を踏まえると、原は来季の構想から外れているとみられる。
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