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塩貝健人が激白!「後藤啓介が先に…」ボルフスブルク移籍の真相。W杯日本代表落選危機も

塩貝健人 写真:アフロスポーツ

 横浜F・マリノスの元特別指定選手であるFW塩貝健人は、2025/26シーズン途中にNECナイメヘンからボルフスブルクへ完全移籍。新天地で出場機会に恵まれず、FIFAワールドカップ北中米大会の日本代表入りが微妙であるなか、本人は米メディア『ESPN』のインタビューで、ナイメヘン首脳陣が自らの移籍を全力で阻止しようとしていた衝撃の内幕を赤裸々に語った。

 21歳のストライカーが今季のエールディビジで残した数字は圧倒的だった。わずか14試合で9ゴール。このペースが欧州のクラブスカウト網に引っかかるのは当然である。だがナイメヘン側もそれを熟知していた。クラブ幹部のカルロス・アールバースが直接、説得に動いたのだ。

 塩貝は移籍の経緯をこう明かしている。

 「ディレクターのカルロスが話をしてくれて、夏まで残ってほしいと言われました。ディック・シュロイデル監督とも話をしました。残留すべきだと言われましたが、自分にとってはブンデスリーガでプレーする大きなチャンスでした。今年はワールドカップもあります。W杯日本代表に必ず選ばれたい。そのためにはトップレベルの舞台で自分を示さなければならないんです。後藤啓介(シント=トロイデンVV)が自分より先に日本代表に招集されたことも影響していました」

 クラブの上層部と現場監督、両者から引き留めを受けながらも塩貝は首を縦に振らなかった。その心中にあったのは、クラブへの義理でも移籍金の規模でもなく、ただひとつ——ワールドカップの舞台だ。

 「そのことはシュロイデルにも伝えました。彼は悲しんでいましたが、幸運を祈ってくれました。ワールドカップが自分にとってどれだけ重要か理解してくれていました」

 シュロイデルは「悲しんでいた」と塩貝は言う。それほどの戦力として評価されながら、本人は迷わなかった。その決断力は21歳とは思えない鋭さを持つ。一方で冷静に考えれば、オランダの中堅クラブが夏まで引き留めを求めるということは、ボルフスブルクへの移籍条件がナイメヘン側に不利だったとも読み取れる。移籍金は950万ユーロ(約17億円)と報じられているが、シーズン途中の引き抜きにクラブが難色を示すのは必然だろう。

 問題は移籍後の現実である。ブンデスリーガという舞台に身を置いたはいいものの、ボルフスブルクでの出場機会は限られている。ブンデスリーガ直近4試合でのプレータイムはわずか11分。W杯という最高の舞台を前に、選んだ道が「出番待ち」では、皮肉がすぎる。

 塩貝は3月のスコットランド戦でデビューし、いきなりアシストを記録している。森保一監督の構想に含まれていることは確かだ。しかし、代表枠は有限であり、所属クラブでの稼働率は選考の重要基準のひとつ。ボルフスブルクで出場機会が得られないままだと、より厳しい現実に直面することになる。