
フェイエノールト所属のFIFAワールドカップ北中米大会日本代表候補FW上田綺世は、オランダ1部リーグ第31節フローニンゲン戦で2ゴールをマーク。25ゴールという大台に到達したが、ロビン・ファン・ペルシ監督の口からは「物足りない」という言葉が飛び出した。得点ランキング2位に9ゴール差をつけての単独首位、その圧倒的な数字とは一部で真逆の評価が波紋を広げている。
問題の発言はオランダメディア『Voetbal International』が伝えた記者会見でのものだ。「アヤセはチームメートに対してもっと要求してほしい。その点で物足りない」。25ゴールという結果を前にしても、指揮官の評価は揺るがなかった。
ファン・ペルシが問題視しているのは技術でも決定力でもない。「4回目のフリーランをしてもパスが来ないなら、チームメートにしっかり伝えるべきだ」——要するに、ピッチ上での「声」と「主張」の欠如だ。元オランダ代表の絶対的ストライカーとして君臨した指揮官自身が体現してきたメンタリティ、それを上田に求めている。
一方で、ファン・ペルシは自らの責任にも踏み込んだ。「クロスはもっと増やすべきだ。彼の強みはそこにある。我々は彼をもっと良い形で活かせる」。つまりこれは単純な批判ではなく、チーム全体への問題提起でもある。
とはいえ、この発言のタイミングを冷静に見れば、別の読み方も浮かぶ。今夏、2500万ユーロ(約46億7500万円)以上とも報じられる移籍金を背景に、MF三笘薫擁するブライトンなど複数の欧州クラブが上田に関心を示しているとされる。コミュニケーションに難ありと名将が「訳アリ」という印象を与えれば、獲得を検討するクラブの動きが鈍るのは自然な話だ。残留させるための「発言戦略」という見方が出てくるのも、無理はない。
コンディションについては指揮官も手応えを認めている。「6週間ほど前に彼のコンディションについて話をした。今はトップコンディションに近い」。実際、フローニンゲン戦の2ゴールはそれを証明するかのような内容だった。
数字は疑いようのない事実を積み上げている。だが、ファン・ペルシの「物足りない」という言葉がひとたびメディアを通じて拡散された以上、移籍市場において上田の評価に影を落とすリスクは消えない。意図的であれ、そうでなければなおさら——この発言が今夏の去就交渉に与える影響は、決して軽くはないだろう。現地では27歳という年齢を踏まえた上で、「今が売り時」という意見も上がっているが、ファン・ペルソ監督の発言の真意は何だろうか。
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