
FIFAワールドカップ北中米大会日本代表候補のMF堂安律には、アイントラハト・フランクフルト退団の可能性が報じられている。アルベルト・リエラ監督との確執が噂されているが、その一方で古巣のPSVアイントホーフェンなど複数クラブが同選手の動向に注目しているという。
報じたのはオランダの移籍専門メディア『フットボール・トランスファー』だ。同メディアは「堂安は来シーズンもフランクフルトでプレーする意思がない」とリポート。さらに、ドイツの有力紙『Sport Bild』もこの状況を裏付ける内幕を伝えている。
昨夏、フランクフルトはSCフライブルクに対して2100万ユーロ(約37億円)という高額の移籍金を投じ、堂安を獲得した。開幕直後の公式戦7試合で8ゴールに関与という圧巻のスタートは、クラブの「目玉補強」を正当化するに十分だった。今季通算でも37試合出場6ゴール6アシストの数字は残している。
だが、後半戦で歯車は狂い始めた。
リエラ監督の就任以降、堂安の出場機会は目に見えて減少。本来のポジションである右ウイングではなく中央に配置され、さらには守備タスクまで課される始末。リエラはサイドにスピードタイプを好む戦術家であり、堂安が得意とする「間で受けて違いを作るプレー」とは根本的に噛み合っていない。
また、『Sport Bild』が明かした一事実が、ネット上で波紋を広げている。リエラ監督がチーム内で選手を姓のみで呼ぶのは、堂安だけだという。意図的なのか、文化的な無理解なのか、あるいは単なる無関心なのか。いずれにせよ、穏やかな話では到底ない。
一方、『フットボール・トランスファー』によると、PSVとFCフローニンゲンが堂安の動向を「注視している」とリポート。ただし、その理由は純粋な獲得関心だけではない。連帯貢献金制度により、同選手が移籍するたびに元所属クラブへ収益が分配される仕組みがある。同メディアのアルゴリズムによれば、堂安の推定移籍金は2480万ユーロ(約45億円)。この金額で移籍が成立した場合、フローニンゲンは24万8000ユーロ、PSVは12万4000ユーロを受け取る権利を持つ。昨夏の移籍でも両クラブはそれぞれ21万ユーロ、10万5000ユーロを得ており、わずか1年でフローニンゲンは累計50万ユーロ近い”堂安マネー”を手にする計算だ。
フランクフルトと2030年まで契約を残している堂安だが、代理人はすでに移籍の可能性を探り始めているという。フランクフルトが37億円の投資に「失敗」の烙印を押されるリスクを避けたいなら、今夏の決断は避けられない。リエラ続投か、堂安残留か——どちらかを選べばどちらかが犠牲になる構図はすでに出来上がっている。連帯貢献金という観点では、古巣のガンバ大阪にも影響を与える。
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