
AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)準決勝の町田ゼルビア対アル・アハリ・ドバイでは、町田が1-0で勝利したものの、試合終了間際にゴール取り消し、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)介入を巡ってアル・アハリ側が抗議。AFC(アジアサッカー連盟)が再試合を検討している可能性も報じられていたが、中東の有力紙『アッシャルク・アルアウサト』が関係者の証言をもとに報じた内容は衝撃的だった――AFC規律委員会はオーストラリア人主審ショーン・エバンスの「判定ミス」を認めながらも、再試合は実施しない方針だというのだ。
問題のシーンは後半アディショナルタイム90+3分。町田がMF中村帆高に代えてDF望月ヘンリー海輝を投入する交代手続きの最中、アル・アハリが審判の笛を待たずスローインでリスタート。ピッチに入りきれていない望月の存在により実質10人で守る町田の右サイドを突き、MFギリェルミ・バラが強烈なミドルを叩き込んだ。一度は同点と判定されたかに見えたが、町田ベンチの猛抗議を受けてVARが介入。主審がOFR(オンフィールド・レビュー)を実施した結果、ゴールは取り消された。
中東メディア『アッシャルク・アルアウサト』が匿名を条件に取材した審判専門家は、「主審は重大な判定ミスを犯したが、再試合を必要とする技術的ミスではない」とリポート。さらに「誤審には誰もが驚いたが、あくまで主観的な判断ミスであり、規律委員会が再試合を命じる可能性は低い」と報じた。「主観的判断ミス」と「技術的ミス」の線引き――この曖昧な基準こそが、今回の問題の核心である。
誤審を認めながら「でも再試合はしない」。その論理が通るなら、今後のACLE、ひいてはアジアサッカー全体の審判制度への信頼は根底から揺らぐ。
アル・アハリ側はこの判断を黙って受け入れる気はない。同紙によれば、規律委員会が異議申し立てを却下されたため、スポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴を準備していると報じた。クラブ側は今回のケースを「技術的ミス」と位置づけ、再試合の実施を正式に求める構えだ。アル・アハリの関係者はAFP通信に対し「試合終了後すぐに正式な抗議文を提出した」と明かしていた。
さらにUAEサッカー協会は水曜日の声明で「シャバブ・アル・アハリが権利を守るために取るあらゆる措置を支持する」と表明し、AFCに対して「大会にふさわしい審判団の選定」を強く要求している。
なお『アッシャルク・アルアウサト』によると、エバンス氏は今回の騒動により、FIFAワールドカップ北中米大会の審判員から外れたという。再試合は行われないものの、AFCによる“誤審騒動”への対応は今後どうなるのだろうか。
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