浦和レッズ 女子サッカー

劣勢の浦和Lを救った島田芽依。フィルミーノを彷彿とさせるパスレシーブとは

楠瀬直木監督 写真提供:WEリーグ

楠瀬監督「ご褒美が巡ってきた」

島田の先制ゴールにより落ち着きを取り戻した浦和は、後半もC大阪の速攻を浴びるも、石川璃音と岡村來佳の両DF(2センターバック)による懸命なカバーリングが実を結び無失点で切り抜ける。試合終盤にはMF遠藤優(右サイドバック)が敵陣ペナルティエリアでのドリブルからPKを獲得。清家がキッカーを務め、後半42分にこのチャンスを物にした。

浦和を率いる楠瀬監督はこの試合終了後の会見で、筆者の質問に回答。攻撃時の島田のポジショニングや、味方からのパスを引き出す動きなどを称えている。

ーお伺いしたいのは、島田選手に対する監督の評価です。この試合で浦和を救ったのは島田選手だと、私は感じています。先制ゴールが決まるコーナーキックの直前、清家選手に決定機が訪れましたが(前半34分)、このチャンスは相手最終ラインと中盤の間でボールを捌いた島田選手から生まれたものでしたね。これは島田選手が以前から取り組んできたプレーであり、その成果がこの試合でも表れたと思います。サイドに流れて攻撃の起点を作る動きも良かったですね。監督はどのように感じていらっしゃいますか。

「個の力では(チームメートのFW)菅澤優衣香ほどではないですし、清家ほどの身体能力や決定力があるわけではない。なでしこジャパン(日本女子代表)に割って入ることを考えると、もうひとつ自分らしいところ(武器)を作っていかなければなりませんが、今は彼女なりに藻掻きながらオフ・ザ・ボール(ボールが無いところでの動き出し)の部分、相手を撹乱する動きでチャンスを作ってくれています」

「個の力や身体能力に関してはこれから鍛えていきますし、こうした部分を今一緒に研究中です。(島田自身も)色々なことにアンテナをはり出してくれていますし、面白い動きをしてくれているんですよね。そこ(密集地帯でのパスレシーブやチャンスメーク)を見てくれる人たちもいます。こうした動きを続けていれば(得点という)ご褒美がある。今日はそれが(島田に)巡ってきたのかなと。島田には引き続き、こうした部分を伸ばしてもらいたいです」


ロベルト・フィルミーノ 写真:Getty Images

まるでフィルミーノのようなチャンスメーク

2023/24シーズンのWEリーグで既に9ゴールを挙げており、得点ランキングでも2位につけている島田。同ランキング首位の清家(現16ゴール)の影に隠れがちだが、今節のように要所で発揮される決定力は同選手の魅力のひとつだ。

相手ボランチやサイドハーフの背後(死角)から突如現れ、先述の通り相手最終ラインと中盤の間でチャンスメークできるのも島田の特長。このプレースタイルは2022/23シーズンまでリバプールに在籍し、イングランド・プレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグ優勝を成し遂げたFWロベルト・フィルミーノ(現アル・アハリ所属)を彷彿とさせる。

4月14日のWEリーグ第14節(ノジマステラ神奈川相模原戦)でも、島田のこのプレーで相手の守備ブロックが崩れ、これにより塩越の先制ゴールが生まれた。着実に成長しているこの21歳FWが、今後も浦和の敵陣ゴール前でのパスワークにアクセントを加えるだろう。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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