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中島翔哉も犠牲者?ポルトとポルティモネンセが不正取引と批判上がる

中島翔哉 写真提供: Gettyimages

 ポルト所属の元日本代表MF中島翔哉(28)はポルティモネンセに復帰することなく、ポルトガル国内の移籍市場最終日を終えている。その中、同選手の現状にスポルティングCP元監督が言及。ポルトとポルティモネンセの間で複数回にわたり不正取引が行われている可能性を指摘した。2日、ポルトガルメディア『Bancada』が伝えている。

 中島翔哉は今年6月30日、ポルティモネンセへのレンタル期間を終えてポルトに復帰。ポルトの今季構想から外れる中、以前からポルティモネンセがレンタルでの同選手再獲得に向かっていると伝えられていた。

 しかしポルトガル紙『O JOGO』は先月30日、中島翔哉がポルティモネンセに残留する可能性について「ポルトは新たなレンタルには応じず、完全移籍での売却を望んでいる。そのため中島翔哉がポルティモネンセに加入するのは、状況が好転した場合のみである。給与を負担する条件が整っていないため、この日本人の残留はほぼ不可能だ」と主張。

 ポルティモネンセが主力選手だったDFウィリアン・ローシャ(27)やブラジル人GKサムエル(27)の後釜確保を優先していることもあわせて伝えていた。

 そしてポルトガルの移籍市場最終日である今月1日に、ポルトはポルティモネンセからサムエルを完全移籍により獲得したと発表。しかし中島翔哉が交換要員としてポルティモネンセに復帰することはなく、ポルトガル国内の移籍市場閉鎖後もポルトに留まっている。

 スポルティングCP元監督のカルロス・バルボサ・ダ・クルス氏は、ポルトガル国内メディアのインタビューで「ポルトにとってナカジマは、パウリーニョ、エヴェルトンにつづくヨーヨーのようなものだ」と、中島翔哉に言及。

 「印象的なのは、ポルティモネンセとポルトの間の取引について、誰も調査しようとしないことだ。31件もあり、中には本当に理解不可能なものもある。一部の選手はポルトでプレーしたことがなく、ポルティモネンセに戻っている」と語るなど、不正取引を行っているとして両クラブに厳しい視線を送っている。

 なお『Bancada』は中島翔哉の去就について「ナカジマはセルジオ・コンセイソンの構想から外れているが、リーグの選手登録はされている。ただアジアの移籍市場はまだ開いているので、ポルトを去る可能性は残されている」と見解を示している。