Jリーグ 浦和レッズ

シャルク、浦和移籍は“偶然の産物”だった!「スカウトは別の選手を見ていたが…」

アレックス・シャルク 写真:Getty Images

 明治安田生命J1リーグの浦和レッズは先月、スイス・スーパーリーグ(スイス1部)のセルヴェットFCからオランダ人FWアレックス・シャルク(29)を獲得。オランダメディア『VOETBAL』が同選手の浦和レッズ移籍に至るまでの過程を伝えている。

 同選手はオランダのNACブレダやゴー・アヘッド・イーグルス、スコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド1部)のロス・カウンティに在籍した後、2018年7月からセルヴェットFCでプレー。2021/22シーズンのリーグ戦でわずか3ゴールにとどまるなどやや下降線をたどっていた中、3月25日になって浦和レッズ移籍が正式決定している。

 そして今月10日開催の明治安田生命J1リーグ第8節・FC東京戦でデビューすると、AFCチャンピオンズリーグ東地区グループステージ第2節・山東泰山戦で2ゴールをあげている。

 そんなシャルクが浦和レッズへ移籍した要因について『VOETBAL』は「フェイエノールトと小野伸二がかつて所属していたクラブ(浦和レッズ)がパートナーシップを結んでいたこと、そしてフェイエノールトが(カストリオット・)イメリの獲得に興味を持っていたことによる恩恵をシャルクは受けた」と説明している。

 これによると、フェイエノールトはMFオルクン・コクチュ(21)に今夏退団の可能性があり、後釜としてセルヴェットFCに所属するスイス代表MFカストリオット・イメリ(21)の獲得を検討していたという。

 そのフェイエノールトは3月1日開催のスイス・スーパーリーグ第23節・セルヴェット対ヤングボーイズにスカウトを派遣。この試合では前半3分にシャルクがゴールを決めると、セルヴェットが1-0で勝利していた。

 シャルク本人はヤングボーイズ戦での出来事を聞かれると「あの試合ではゴールを決めて良いプレーをしていたね。フェイエノールトのスカウトはイメリの(プレーをチェックするために)視察に来ていたんだけど、浦和レッズの欧州におけるチーフスカウトでもある。偶然にも浦和レッズが僕のようなストライカーを探していることを彼は知っていたんだ」と語っている。

 そして同選手は「次の火曜日に浦和レッズの話で呼ばれると、1日もしないうちに正式なオファーが来た。1日後にすべてが完了したんだ。3日後には荷物がまとめられていたんだけど、恋人に状況を説明すると当然彼女はショックを受けたね」

 「まだ学校に行かなくてもいい小さな娘と一緒だし、タイミングは完璧だ。すべての面において正しい機会だったよ。美しい国、冒険、クラブの大きなファン層。単純な話、エールディビジ(オランダ1部)では得られないオファーだったのさ」とコメント。浦和レッズからオファーが届いてから即決だったことを明かしている。

 浦和レッズは2019年5月にエールディビジ(オランダ1部)のフェイエノールトとの戦略的パートナーシップの覚書を締結している。また昨年3月末に元U21デンマーク代表FWキャスパー・ユンカー(28)の獲得を決めた際、ユンカー本人はフェイエノールトのクラブ施設でメディカルチェックを受けていた。今回のシャルク獲得に関しても、フェイエノールトと連携していたことが功を奏している。