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STVV監督、鈴木優磨に「次のチャンスを掴んだ」と評価。鈴木武蔵との日本人対決では…

鈴木優磨 写真提供: Gettyimages

 FW鈴木優磨(25)は今夏退団が噂されたものの、ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)のシント=トロイデンVV(STVV)に残留している。STVVを率いるベルント・ホラーバッハ監督は、鈴木優磨についてメンタル面での改善があったことを明かした。10日、ベルギーメディア『VOETVAL』が伝えている。

 鈴木優磨はプレシーズントレーニングには参加していたものの、移籍市場が開いている間、公式戦への出場を拒否。チーム内や周囲で同選手の行動を問題視する声が上がっていた。

 ただ、同選手はセリエA移籍を望んでいた中、スュペル・リグ(トルコ1部)の強豪フェネルバフチェやベルギー国内の強豪アンデルレヒト、クラブ・ブルージュなど複数クラブからのオファーを却下。そして今夏残留が確定すると、今月1日にクラブ施設でベルント・ホラーバッハ監督に会って謝罪。また、自身のインスタグラムアカウントでは「自分自身の振る舞いは正しいやり方ではありませんでした」とコメントを残していた。

 そんな鈴木優磨は、今月2日に行われた東京五輪のU24日本代表MF田中碧(22)を擁するフォルトゥナ・デュッセルドルフとの練習試合で後半開始から出場。そして8日にはベルギー2部で首位を走るウェステルローとのトレーニングマッチで後半開始からピッチに立ってゴールをマーク。指揮官へのアピールに成功していた。

 同選手については、チームメイトのMFクリスチャン・ブリュルス(32)が『VOETVAL』の取材に対して「STVVはチーム内に問題を抱えていない。私はそう確信している。それにスズキが残留したことで、我々はより一層強力になっている」とコメントを残していた。

 そして、ホラーバッハ監督も「若い選手は、時に失敗をすることもある。スズキは自分の振る舞いが間違いであったことを認め、クラブスタッフやチームメイトに対して謝罪した。そして次のチャンスを手に入れるに値した。このチャンスを生かすかどうかは彼次第だ」

 「彼に対しては、チームのためにすべてを捧げなければならないことを伝えているし、彼自身もそのことを心掛けている。デュッセルドルフ戦では厳しかったが、ウェステルロー戦では(デュッセルドルフ戦よりも)良いプレーを見せていた」と同選手を評価している。

 そして「(ベールスホットVA戦で彼を起用する可能性について)今の段階では何とも言えない。ただ、彼は一生懸命トレーニングに励んでいるし、正しい道を進んでいる。我々にとって重要な選手になる可能性はある」と鈴木優磨に対する信頼感を口にしている。

 なお、STVVはインターナショナルマッチウィーク明けの13日、かつて明治安田生命J1リーグの北海道コンサドーレ札幌でプレーしていたFW鈴木武蔵(27)を擁するベールスホットVAとの一戦を控えている。新戦力であるU24日本代表FW林大地(24)とFW原大智(22)とポジション争いを繰り広げる中、はたして鈴木優磨に出番は巡って来るのだろうか。