Jリーグ ガンバ大阪

史上初の大阪ダービー3連戦。「解任ブースト」に敗れたG大阪に“緊急事態宣言”の訳

井手口陽介(左)キム・ヨングォン(中)三浦弦太(右)写真提供:Gettyimages

ガンバ大阪に“緊急事態宣言”が出ている。8月28日に行われた明治安田生命J1リーグ第27節、G大阪はセレッソ大阪をホームのパナソニックスタジアム吹田に迎えた「大阪ダービー」で0-1と敗れた。

C大阪は26日にレヴィー・クルピ監督の解任を発表しており、コーチから昇格した小菊昭雄新監督の初陣だった。所謂「解任ブースト」によって現状でできるシンプルなサッカーに整理されたとも言えるが、内容的にはG大阪の完敗だった。この結果により、G大阪は直近のダービー5戦の結果が2分3敗と未勝利が続いている。


カンバ大阪の宮本恒靖前監督 写真提供:Gettyimages

史上初の大阪ダービー3連戦

J1リーグは代表戦ウィークによって2週間中断(次節9月10日再開)となるが、その間には「JリーグYBCルヴァンカップ」の準々決勝が予定されている。そして、リーグ戦に引き続き、大阪の両雄が激突する。大阪ダービーは史上初の3連戦となり、9月1日に第1レグがC大阪のホームであるヨドコウ桜スタジアムで行われ、5日には第2レグが再び吹田スタジアムで開催される。

今季はG大阪も5月に就任4シーズン目を迎えていた宮本恒靖前監督を解任し、後任には強化アカデミー部長だった松波正信現監督を据える監督交代が起きた。大阪の両雄は共にネガティブなシーズンを送っているだけに、このダービー3連戦が今季の行方を大きく左右するターニングポイントとなるのは間違いない。


ガンバ大阪MF井手口陽介 写真提供:Gettyimages

松波体制移行後も続く深刻な得点力不足

2016年の元日に「第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会」でタイトルを掲げて以降、すでに5年連続無冠が続いているG大阪にとっては、ダービーがタイトルマッチ級の重要な意味を持つ。リーグとカップ戦は別物だが、この3連戦初戦の敗戦は痛恨だった。

ダービー初戦で敗れたG大阪はJ1第27節終了現在、8勝6分13敗。勝点30でJ1リーグ13位。開幕10戦を1勝4分5敗の勝点7だった宮本監督体制と比較すると、就任後のリーグ17戦7勝2分8敗で勝点23を獲得している松波監督現体制は復調していると捉えられるかもしれない。

確かに最悪の事態は脱してはいるが、ダービー初戦でDF三浦弦太、MF井手口陽介や小野瀬康介、FW宇佐美貴史やパトリックなど、代表クラスの選手がベンチに座るほどの豪華な陣容が揃っている名門の結果としては納得できないはずだ。

特にリーグワースト2位に沈む19得点は深刻で、27試合も消化しているにも関わらず、未だFW登録以外の選手が得点したのは矢島慎也と小野裕二の1ゴールずつのみである。実質5バック化する守備重視の3バックでは攻撃に割く枚数を作りにくく、連動性を作るのは難しい。ただ、その粘り強さでしぶとく勝点を積み重ねているのも確かである。

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