ラ・リーガ アトレティコ・マドリード

DR.TRIBE【試合診断書】 UEFAスーパーカップ レアル・マドリード対アトレティコ・マドリード

大会:UEFAスーパーカップ
カード:レアル・マドリードvsアトレティコ・マドリード
スコア:2-4
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):ジエゴ・コスタ

2得点を記録し、4点目も自身の突破から演出。マドリードディフェンスを相手に、完全に勝利を収めた。

ザ・ハード・ワーカー(THW):サウール・ニゲス

常にクロースをモニタリングし、ビルドアップの局面ではロドリとともにパスの出し手として攻撃にリズムを与えた。機を見た攻撃参加で勝ち越しの3点目をゲット。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):マルセロ

マルセロだから起こりえたミスだが、結果的にそれがもとで同点弾を喫した。攻撃ではシュートを放つも効果的な働きはできなかった。


レアルの攻撃対アトレティコの守備

レアル:SBが高い位置をとってできるだけクロースを経由しながら、ベイル、イスコ、アセンシオがライン間でボールを引き出そうとする。

アトレティコのコンパクトな守備陣に風穴を開けるために、サイドチェンジを多用して左右に揺さぶりをかける。昨シーズンと変わったのは、ベンゼマが常に中央にいること。

アトレティコ:基本的には、クロースをサウール、イスコをロドリ、カゼミーロをグリーズマンが見る。ハーフライン付近まで押し込まれた場合は、クロースへのパスコースを2トップが切りながら、サウールは常に前に出られるポジション取り。

サイドハーフはスライドをさぼらず、CBはサイドに出たSBのカバーリングに出ていく。コケとレマル、ロドリとサウールがポジションチェンジしてもルールは同じ。


アトレティコの攻撃vsレアルの守備

アトレティコ:ボールを奪ってまず見るところはコスタ。アバウトなボールでもどうにかしてくれる。ビルドアップの局面ではロドリとサウールが状況に応じてCBをサポート。

SMFは中央へ絞って4-4-2-2に近いような形になり、特にレマルはボールを引き出してキープ力を発揮。セカンドトップでもプレー。コレアやビトロなど選択肢の多さも印象的。

レアル:ネガティブトランジションの意識が高く、2列目の選手が前半から前向きのプレスを繰り返していた。

全体を高い位置に保って、DFラインを押し上げるため、その裏を狙われて数的同数になることも。1点目のコスタの突破と、4点目は前に重心が行き過ぎた結果とも言える。


レアル・マドリード監督:フレン・ロペテギ

ジダンの時代から明らかに戦術的な志向の違いを見せ、その完成度もすでに悪くないものだった。ネガティブトランジションの強度とビルドアップの質は高く、コンディションが整っていれば勝ち切っていた可能性もある。アセンシオを先発で使い、ジダン監督時代に苦杯をなめたセバージョスも途中から出場させるなど、新たなマドリードを予感させる試合を演じた。


アトレティコ・マドリード監督:ディエゴ・シメオネ(ヘルマン・ブルゴス)

4試合の出場停止処分を受けているシメオネ監督に代わって指揮を執ったブルゴスコーチ。ロドリとレマルはすでにチームに馴染んでおり、連携面も全く問題なさそうだった。攻撃の交代枠で使ったコレア、パーテイ、ビトロはいずれもアシストを記録し、交代策がバッチリ当たった。守備面の堅さは相変わらずだが、攻撃面が大幅に改善されているような兆しが見えた試合だった。


主審:シモン マルチニアク

ファンフランのハンドをとってマドリードにPKを与えたのは正解。4点目の場面で、カルバハルがコスタに引っ張られていたようにも見えたが、お互いにやり合っていたため、吹かないのが妥当だろう。ナイスレフェリングだったと言っていい。