ワールドカップ 日本代表

5試合勝ちなしの日本代表。スイス戦を5つのポイントで振り返る

コロンビア戦まで残り10日となった日本代表はスイス代表と国際親善試合で対戦。0-2で完敗し、昨年12月の中国戦以来5試合勝ちなしとなった。今回はこの試合から見えた5つのポイントをご紹介したい。

守備組織の決め事は...?

後半55分宇佐美貴史にかわって乾貴士が投入されたが、2人の守備の動きは大きく異なっていた。宇佐美は守備のポジショニングは曖昧で、ゾーン守備では絞りの甘さが目立っている。一方、乾は昨季の所属クラブであるエイバルの守備と似たプレーを見せ、CBとSBの間に陣取って素早いプレスバックで追い込む手法を取っている。明確に守備の決め事がないのか、浸透していないのかは定かではないが、前線の選手がそれぞれ異なる守備を見せていたことは確かだ。

速攻に見るチーム力の差

前半終了間際に日本代表は4対4の状況でカウンターの機会を迎えたがスピードダウン。一方、スイス代表は自陣CKからロングカウンターで空いているスペースを素早く見つけて、追加点を奪取。両チームの判断速度と完成度の差が明確に現れてしまった場面であった。

得点力不足

速攻の完成度が低いとなれば、相手が作った堅固なブロックを打ち崩す高いクオリティの遅攻が必要となる。しかし、現在の日本代表は相手を押し込んだ状態でもサイドからの単調なクロスを放り込むのみ。FW大迫勇也が屈強なCBに競り勝てる確率は極めて低く、得点の可能性はほとんど感じられない。この状況を打破するためには、酒井宏樹が見せた低いアーリークロスや中央に切り込んでのコンビネーションプレーなどSBを中心としたサイド攻撃が必要になるだろう。

手応えを掴んだボランチ

PKと相手CKからのカウンターで2失点を喫したが、流れの中での守備は一定の手応えを掴んでいる。大島僚太と長谷部誠の2ボランチは攻守の切り替えでも、セカンドボールへの反応でも及第点の出来。ビルドアップの場面でも長谷部と大島が縦関係になるなど工夫を見せている。代表の定位置争いで大島僚太は山口蛍より一歩前に出た状態と言えるだろう。

酒井宏樹の復帰

コンディション不良が心配されていた酒井宏樹は、後半56分から途中出場。プレスを回避するボール運びや崩しのイメージなど日本代表に欠けていた創造性をサイドから生み出していた。2失点目に絡むなど、まだ本調子とは言えないが、コンディションを上げていけば、日本代表のキーマンの一人となるだろう。