代表チーム ウルグアイ代表

南アフリカW杯MVPに輝いたウルグアイの英雄フォルラン、家族への思い

ウルグアイ代表でのディエゴ・フォルラン 写真提供:Getty Images

 2010年南アフリカワールドカップでウルグアイ代表チームのキャプテンを務たフォルランを、オスカル・タバレス監督は最前線でプレーさせるのではなく攻撃的ミッドフィールダーとして起用した。これによりフォルランは、視野の広さやロングシュートといった武器を活かせるようになる。

 背番号10は大会を通じてペナルティエリア外から決めた3本のシュートを含む5得点を記録し、素晴らしいパフォーマンスを見せた。その活躍によりウルグアイ代表は4位に躍進、31歳のスターはワールドカップ・ゴールデンボール賞を受賞して、ジダンやロナウド、マラドーナ、後年のメッシらを含むレジェンドと名前を並べることとなった。

 それはビジャやゴールデンブーツを獲得したミュラーと同じ5得点を決めたフォルランにとって、相応しい評価と言えるだろう。また一試合当たりの走行距離でも平均10.38kmを記録し、大会トップに立っている。ルイス・スアレスとエディンソン・カバーニがまだ全盛期に到達しておらず、ディエゴ・ゴディンがビジャレアルで平均的なディフェンダーにすぎなかったウルグアイ代表において、彼の影響力は絶大だった。

 賞を受け取ったフォルランの頭にあったのは、姉のためにテニスよりサッカーを選んだ時と同じように家族の存在だった。

「キャリアを通じて多くの賞を勝ち取ってきましたが、地に足をつけていられるのは家族のおかげです。この賞を誰よりもまず両親ときょうだいに捧げたいと思います。そしてこれはチーム全体とウルグアイサッカーの成功の証です」

 騒々しいブブゼラの音や公式球ジャブラニへの不満、スペイン代表のティキ・タカ、次の大会を制するドイツ代表の台頭、そして成功を掴めなかったロナウドとメッシの2人のスーパースターに彩られた大会で、ディエゴ・フォルランはアフリカの地に忘れられることのない功績を残した。

著者:グエン・クオック・ビエト

フットボール・トライブ・ベトナム編集部のライター。Twitter:@LienMinhPark

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