Jリーグ ガンバ大阪

優勝候補セレッソと降格圏ガンバ。対照的な両者が挑む大阪ダービー

著者:チアゴ・ボンテンポ(翻訳者:土屋一平)
 

絶好調で大阪ダービーを迎えるセレッソ大阪

 ガンバ大阪はいつも首位に立ち、タイトルを争うチームだった。セレッソは何度も中位以下でシーズンを終え、J2でプレーすることもあった。これが近年の基本的な大阪の2クラブのシナリオだった。しかし、2017年から状況は一変。長谷川健太監督の退任が発表されてから一試合も勝利できなかったガンバを尻目に、セレッソは2つのカップ戦で優勝。チーム史上初の栄冠を手にした。2018年もその状況は変わらず、大阪ではピンクが優勢だ。セレッソはより多くのトロフィー獲得を目指す一方、ガンバは降格圏から抜け出すこと以外は、現状として考えられない。加えて次のリーグ戦は大阪ダービーだ。日本で最も熾烈なライバル関係のひとつにある両クラブが相見える。

 セレッソは現在3連勝中で、前節は4連勝中だったFC東京を下した。浪花の桜はホームで戦ったものの主導権を握れず苦しんだ。首都のクラブは55%のポゼッション率を記録し、チャンスを作ったものの攻撃陣がそれを活かすことができなかった。

 ユン・ジョンファン監督が持ち込んだリアクションスタイルのサッカーにより、セレッソがボールを保持する時間は少なくなったものの、守備は改善されFC東京戦では、相手のミスに付け込んで得点を奪い勝利した。キャプテンのチャン・ヒョンスとゴールキーパーの林彰洋が簡単なクリアをミスし、高木俊幸のゴールを招いた。

 スタジアムに足を運んだ西野朗日本代表監督は、山口螢のパフォーマンスに感銘を受けたことだろう。彼は守備で善戦し、攻撃ではワンタッチパスでチャンスを作ってスキルを披露した。反対に侍ブルーの新監督は、杉本健勇には満足していないはずだ。彼は標準以下のパフォーマンスに終始し、FC東京のディフェンダーを脅かすには至らなかった。ふくらはぎの怪我から復帰した清武弘嗣は、82分に高木との交代でピッチに立ちもう少しでゴールを決めるところだった。彼はフリーキックのトリックプレーからボールを受け、残るは林だけという状況でシュートを外し、西野監督の前でアピールするチャンスを逃した。木本恭生のソリッドな守備についても言及しておく価値があるだろう。彼はシーズン初のクリーンシート達成に貢献した。

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